築75年"困った"実家を「50万円」で売却するまで 小説家が直面「負動産」相続問題と実家じまい

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「知り合いの不動産仲介業者にも相談したのですが、『今の状態では売却は難しい。もう少し様子を見て』と言われました。でも、物件のことが頭の片隅にずっとあるのってストレスじゃないですか。その難題をクリアすることで人生にプラスになるのであれば、頑張ってみようと思ったんです」

高殿円
(撮影:曽我美芽)

賃貸に出すにも売却するにもまずは片付けから

まずはゴミ屋敷のような状態の家を片付けようと決めた高殿さん。遺品を一括で請け負う業者に見積もりを取りましたが、40~50万円の費用がかかると言われて悩みます。

「再建築不可物件で売れるかどうかもわからないボロ家ですから、そこまでお金をかけられなかったんです。かといって、フリマアプリで家の中の物品をちまちまと売るのも面倒。だから、アメリカでよく行われるエステートセールを真似て、遺品をすべて無料で持って行ってもらうことに決めました」

エステートセールとは、亡くなった人の遺品を販売する方法のこと。ガレッジセールとも似ています。

高殿さんは無料のエステートセールを、家の中にある品々を撮影した写真と共にインターネットで告知。すると近隣に住む人だけでなく、せどり業者からも反応があり、みるみるうちに家の中が片付いたと言います。

「周りには高齢者しか住んでいないような地域なので、どれくらいの人が来るかは賭けでした。けれど本格的な大工道具や昭和レトロな家具・皿が意外と人気で、どんどん持って行ってくれたんです」

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