11月の米大統領選挙に向け、2大政党の全国大会が開かれたこの夏、民主党支持の牙城であったシリコンバレーのハイテク起業家や投資家の大物たちが、こぞって共和党のトランプ陣営支持に回って話題となった。仕掛け人は「シリコンバレーのドン」として知られる、米決済大手ペイパル共同創業者のピーター・ティールと、その後押しで共和党副大統領候補となったJ.D.バンスだ。結果、ハイテク業界は複雑な分断を抱え込んだ。
トランプ支持が拡大
2016年の大統領選挙では、ハイテク業界の大物の中でトランプ支持に回ったのはティール一人。まさかのトランプ当選で、アップルCEOのティム・クックやアマゾン会長ジェフ・ベゾス、起業家イーロン・マスクらと、トランプの間を取り持つ会合をティールが仲介したが、移民をはじめ多くの問題で対立したままだった。その年にベストセラーとなった半生記『ヒルビリー・エレジー』の著者として広く知られるようになったバンスも、トランプを批判し、独裁者ヒトラーに例えたりしていた。
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