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丸紅と住友商事で異なる食品スーパーへの温度感 「事業撤退」と「引き続き注力」、対照的な2社

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2023年末にスーパーマーケット事業から撤退した丸紅。対照的に住友商事は1960年代から注力するサミット事業にのめりこむ。キーワードは「経営の主導権」だ。

USMH発足時の会見
後にUSMHとなるマルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の経営統合を発表した2014年5月の会見。当時社長だったイオンの岡田元也会長(右)をはじめ、マルエツ、カスミ、丸紅の経営幹部が出席した(撮影:梅谷秀司)

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2023年12月29日付で売却を完了――。丸紅が今年5月に開示した2024年3月期決算補足資料の欄外。そこに記された一文は、丸紅が食品スーパーマーケット事業から撤退したことをひっそりと伝えていた。

手放したのはユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)。都心中心の「マルエツ」、茨城地盤の「カスミ」などを傘下に抱える首都圏最大手の食品スーパーグループだ。2024年2月期の売上高は約7000億円で約530店を展開する。丸紅は保有していたUSMH親会社株式の約28%を合弁相手のイオンに売却した。

丸紅の食品事業部の広瀬真介部長代理は、「業界の変革はどんどん進んでいる。その中でマジョリティーを持たない食品スーパーに当社がスピード感を持って対応することが難しくなってきた」と話す。

かつては大きな存在感を示した丸紅

丸紅はかつてスーパー業界で大きな存在感を放っていた。

2004年に産業再生機構入りしたダイエーの支援にイオンとともに乗り出し、一時は44%超を出資する筆頭株主になった。ほかにも2003年に東武鉄道から東武ストア株17.5%をマルエツとともに引き受けたり、相鉄ホールディングスが持っていた相鉄ローゼンを2012年に20%取得したりした。

だが、ダイエー株は2013年にイオンに売却。33%超まで保有していた東武ストア株も2018年に売却、相鉄ローゼン株も事業強化にメドがついたとして2019年に売却した。丸紅にとってUSMHはスーパーマーケット事業で最後に残った案件だった。

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