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三菱商事、「CtoBが憲法」の新組織が描く青写真 S.L.C.グループCEOオフィス唐沢裕之室長に聞く

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三菱商事「S.L.C.グループ」のナンバー2が新組織の全貌を語った。

三菱商事の唐沢裕之氏
S.L.C.グループCEOオフィスの唐沢裕之室長は今年の2月末までローソンで常務執行役員・経営戦略本部長を務めていた(撮影:尾形文繁)

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 三菱商事が2024年4月に立ち上げた「S.L.C.グループ」。金属資源グループなど三菱商事内に8つある営業グループの1つとして、生活者起点のビジネスを管掌する。商品軸の縦割りの発想を根底から覆す新たな組織だ。

 生活者の接点となる小売りだけでなく産業DXやバイオ、金融とさまざまな事業を集めて、どのような将来像を描くのか。新組織のナンバー2、S.L.C.グループCEOオフィスの唐沢裕之室長が語った。

【インタビューでの主な質問】
Q S.L.C.グループにプライベートエクイティファンドやバイオが加わった理由は?
Q Ponta(ポンタ)の会員データも活用しますか?
Q S.L.C.グループという組織をどう統括していくのでしょうか?
Q 多種多様な事業があるために収益管理がどんぶり勘定になりませんか?

――今年4月に発足したS.L.C.グループの狙いは。

生活者に関連するビジネスの事業環境は大きく変化している。その変化に対応すべく、関連性の高い事業、機能、組織を結集した。リテール(小売り)、生活者ビジネスに一段とコミットしていくという意思の表れが今回の組織改編だと認識している。

リテールではドラッグストア、スーパー、コンビニなどが業態の垣根を越えて競争している。加えて、サービスを横に束ねるプレイヤーが強くなっている。

アマゾンが生鮮品をネットスーパーで扱うだけでなく、PayPayのような決済プラットフォームが顧客接点を押さえていろんなサービスをバンドル(組み合わせ)している。ウーバーのような業界のパートナーにも競合にもなるデリバリープラットフォーマーも参入してきた。

三菱商事では商品やサービスごとの縦割りのバリューチェーンを前提に組織を組んでいた。コンビニの食品なら、穀物や魚、肉の生産から食品卸、(小売りの)ローソンまでをやる形になっていた。生活者ビジネスでの変化に対応していくと、この縦型のモデルから横型へと自然に向かう。

「BtoC」ではなく「CtoB」

――バリューチェーンという縦軸とは別に横軸とするものは何ですか。

それは生活者のニーズになる。グループCEOの近藤(祥太常務)が打ち出しているのは「BtoC」ではなく「CtoB」。生活者を起点にビジネスを作っていくことをグループの“憲法”にしている。実際のビジネスはB(企業)から始まるにしても、つねにC(カスタマー)を起点に発想を持つ。

――「利は川下にあり」ということでしょうか?

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