三菱商事「S.L.C.グループ」のナンバー2が新組織の全貌を語った。
生活者の接点となる小売りだけでなく産業DXやバイオ、金融とさまざまな事業を集めて、どのような将来像を描くのか。新組織のナンバー2、S.L.C.グループCEOオフィスの唐沢裕之室長が語った。
【インタビューでの主な質問】
Q S.L.C.グループにプライベートエクイティファンドやバイオが加わった理由は?
Q Ponta(ポンタ)の会員データも活用しますか?
Q S.L.C.グループという組織をどう統括していくのでしょうか?
Q 多種多様な事業があるために収益管理がどんぶり勘定になりませんか?
――今年4月に発足したS.L.C.グループの狙いは。
生活者に関連するビジネスの事業環境は大きく変化している。その変化に対応すべく、関連性の高い事業、機能、組織を結集した。リテール(小売り)、生活者ビジネスに一段とコミットしていくという意思の表れが今回の組織改編だと認識している。
リテールではドラッグストア、スーパー、コンビニなどが業態の垣根を越えて競争している。加えて、サービスを横に束ねるプレイヤーが強くなっている。
アマゾンが生鮮品をネットスーパーで扱うだけでなく、PayPayのような決済プラットフォームが顧客接点を押さえていろんなサービスをバンドル(組み合わせ)している。ウーバーのような業界のパートナーにも競合にもなるデリバリープラットフォーマーも参入してきた。
三菱商事では商品やサービスごとの縦割りのバリューチェーンを前提に組織を組んでいた。コンビニの食品なら、穀物や魚、肉の生産から食品卸、(小売りの)ローソンまでをやる形になっていた。生活者ビジネスでの変化に対応していくと、この縦型のモデルから横型へと自然に向かう。
「BtoC」ではなく「CtoB」
――バリューチェーンという縦軸とは別に横軸とするものは何ですか。
それは生活者のニーズになる。グループCEOの近藤(祥太常務)が打ち出しているのは「BtoC」ではなく「CtoB」。生活者を起点にビジネスを作っていくことをグループの“憲法”にしている。実際のビジネスはB(企業)から始まるにしても、つねにC(カスタマー)を起点に発想を持つ。
――「利は川下にあり」ということでしょうか?
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