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伊藤忠「第8カンパニー」がファミマで得た確信 「利は川下にあり」をデジタルの活用で具現化

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伊藤忠商事が「第8カンパニー」を発足させてから5年。アイデアを実証する場となっているファミリーマートでつかんだ手応えとは。

ファミリーマート
東京・品川区のファミリーマート山王大森駅前店では、床掃除をロボット(右)が担い、AI支援システム「レイチェル」(左)が業務をサポートしている(記者撮影)

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6月下旬の午後2時すぎ。東京・品川区の「ファミリーマート山王大森駅前店」で、身の丈1メートルほどの床掃除ロボットが動き出した。約120平米の店の床を1時間で磨き上げる。

以前は従業員が1日に3回、計1時間を床掃除に費やしていた。ロボットにすべて任せている今は、掃除の回数を1日5回に増やしている。掃除後の床の輝度は人が行ったときと比べても遜色ないという。一方の従業員は、別の仕事に時間を振り向けることができるようになった。

山王大森駅前店の店長は、「ここは省人化店舗で1人でレジや発注を回すこともあるので、ロボットが掃除してくれるとすごく助かる」と話す。

ロボットの「頭」は小型モニターで、ちゃっかり商品の宣伝もする。「胴体」には商品の陳列棚もついている。約20個のセンサーで来店客や棚などを巧みによけながら、直線的な動きで掃除を進めていく。ロボットは直営300店への導入が目標となっており、AIカメラの搭載も検討されている。

二人三脚の店舗デジタル化

店のバックヤードをのぞくと、店長がAI支援システムの「レイチェル」で、最近搭載された業務マニュアル閲覧機能の確認を行っていた。

店長「レジの返金対応を教えて」

レイチェル「こちらの内容がみつかりました」

マニュアルが画面に即座に表示される。記者が「前日のシュークリームの売り上げを教えて」と質問してみた。

「売り上げデータを確認してまいります。少々お待ちください…データは手元にございませんでした」。シュークリームのデータは搭載されていなかったが、勝手な質問にもレイチェルは真剣に対応してくれた。

ファミマ店舗のデジタル化は、伊藤忠商事の「第8カンパニー」と二人三脚で進む。繊維や金属など既存の7つのカンパニーは商品基軸の縦割り型の組織でビジネスを展開している。それに対して第8は、「マーケットイン」の発想で横串を通すビジネスの実現を目指して2019年に発足した。

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