価値づくり経営の論理 日本製造業の生きる道 延岡健太郎著 ~価値づくりあってこそ活路が開ける

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「技術とは、組織にある期間をかけて蓄積されたもの全てを包括して考えるべき」である、と著者は言う。また「技術者が継続的に学習した経験知や問題解決能力は模倣されにくく、持続的な競争力に結びつく」とも強調する。

そのような競争力の事例として、コマツのハイブリッド建設機械、あるいはセンサや制御・計測機器のキーエンスなどの事例が挙げられている。併せて個別商品としての高級車やデジタルカメラなどを点検しつつ、「顧客企業」や消費者の満足度の意味を語る。

そこから浮かび上がってくるのは「高度なものづくりによって大きな価値づくり」をすることの大切さである。「顧客が求めてもいないような機能やスペック」を作る能力があり、それによって商品を作っても、利益に結びつかないのでは、無駄骨というものだ。

著者は企業に自らの「強みを長期間にわたって鍛え続け」「マネジメントのあり方を考え抜く」ことを呼びかけ、それによってこそ新しい段階入りができると唱える。

本年度の経営書ベストスリー入りが約束された一冊である。

のべおか・けんたろう
一橋大学イノベーション研究センター教授。1959年広島県生まれ、大阪大学工学部精密工学科卒業、マツダに入社。米マサチューセッツ工科大学にてPh.D.(経営学)を取得。神戸大学経済経営研究所助教授、同教授を経る。

日本経済新聞出版社 1995円 288ページ

  

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