住友化学"問題案件"スピード決着でも残った宿題 サウジ石化合弁に大ナタ、ファーマも復調だが

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一定の止血が進んだのは、もう1つの問題案件である住友ファーマも同じ。

上場子会社の住友ファーマは2024年3月期に特許切れに伴う主力薬剤の売り上げ激減や減損、リストラ費用などがかさみ前期は3150億円の最終赤字となった。51%超を出資する住友化学の最終赤字3118億円の半分強は、同社に起因することになる。前年度へのインパクトでいえばラービグよりもファーマだった。

早期退職などで黒字化にメド

その住友ファーマも減損一巡とリストラ効果に加え、現在の基幹3薬剤が順調で業績は回復基調にある。2024年4~6月期のコア営業利益は9億円の赤字で、335億円の赤字だった前年同期からは大幅に改善している。

住友ファーマの今期通期は160億円の最終赤字の予想。多少の増減があっても前期のような巨額赤字にはなりようがない。今期に700人規模の早期退職を実施することで黒字化も見えてくる。住友化学にとってもほっと一息といったところだ。

ただし住友ファーマに関しても、この先を担う新薬をどう作り出すかという課題は残ったままだ。人員や研究開発費を絞り込んだことで、将来を描く困難さは増したともいえる。

ラービグとファーマ以外でもシンガポールや国内の石化事業は改善が必要だ。一方で、半導体関連材料など高付加価値かつ成長期待が大きい事業や製品もある。今後はそれらを確実に育てると同時に、バケツに開いた穴をさらに小さくしていく必要がある。

山田 雄大 東洋経済 コラムニスト

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やまだ たけひろ / Takehiro Yamada

1971年生まれ。1994年、上智大学経済学部卒、東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部に在籍したこともあるが、記者生活の大半は業界担当の現場記者。情報通信やインターネット、電機、自動車、鉄鋼業界などを担当。日本証券アナリスト協会検定会員。2006年には同期の山田雄一郎記者との共著『トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇』(東洋経済新報社)を著す。社内に山田姓が多いため「たけひろ」ではなく「ゆうだい」と呼ばれる。

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