シャープの3200人削減は「的外れ」な再建策だ 人員削減の前にやるべきことがある

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「従業員1人当たりの売上高」、大手4社の比較

もちろん、外注比率の違いなどによっても影響を受けるので、あくまでも概算になるが、じつは直近決算においてシャープの従業員1人当たりの売上高は、パナソニックやNECよりも1.5倍ほど多い。

シャープの経営不振の原因は人件費にあらず

次に人件費についても同業他社と比較してみよう。メーカーの人件費は製造原価に含まれる製造ラインの人件費である「労務費」、販売管理費に含まれる「従業員給与」「研究開発費」などに割り振られて計上されているとみられ、有価証券報告書や決算短信だけで数値を割り出すのは難しい。そのため、あくまで試算として平均給与を単体従業員数で掛けた額を概算で割り出してみた。平均年間給与と人件費(概算)、売上高人件費率の関係は以下のとおりだ。

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「平均年間給与と人件費(概算)、売上高人件費率」、大手4社の比較

1人当たりの平均年間給与は、比較した4社の中でシャープが最も低い額だし、売上高に占める人件費の割合で比較しても、パナソニックやNECを大幅に下回っている。少なくともシャープは飛び抜けて余剰人員を抱えている会社に見えない。シャープの経営不振の根本原因が過剰な人件費にあり、だから約13%もの人を何が何でも削減しなければならないという理屈には、やや無理があるのだ。

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