大先輩のキャリア女性からも、世の中の報道でも、「専業主婦になりたいんです」と宣言する女性はちょっと責められているように感じてしまうのかもしれません。「いけないことなの?」と反論したくなる人がいるのも理解できます。
専業主婦は非常にハードな業務
「食器を洗って一生を終わりたくない」との言葉は、マーガレット・サッチャー元英国首相のものだったと記憶しています。賛否はいろいろあるでしょう。でも大切な人のために家を整え、食事を作り、「食器を洗う一生を送りたい」と言い切る女性がいてもすてきだと私は思います。
育児については、それこそが自分の人生のミッションなのだと言う人は、思っているよりずっとたくさんいます。専業主婦とは、「3食昼寝つき」「働かなくてもお金が入ってくる」というものではなく、「主婦(主夫)」という非常にハードな職種、業務であり、ミッションであるのだと私は思うのです。
休みなんてほとんどないんですよ? そしてめったに評価なんてしてもらえない、超長時間労働の現場です。だから、私は相当な覚悟をし、この業務を自分の一生のテーマにする、と決めた女性のことをかっこいいなぁと思うことこそあれ、「人生ムダにしてる!」なんて思ったことは全くありません。
生涯賃金の差がこんなにつく、とか、将来の生活設計でリスクを抱える、とかいったことも織り込み済みで、「でも決めたの!」と言う女性はキャリア女性よりずっと芯が強いのかもしれない、とさえ思います。
また、そんな覚悟はない、夢見がちなあこがれ派だって、責められる必要なんてないと思うのです。どんな女性だって一度くらいは、好きな人の名字の下に自分の名前を書いてうっとりしてみたり、結婚が決まれば、エプロンしてお料理しながらダンナ様を待ってみたいと妄想してみたり、こどもに手作りのお菓子や洋服を作る姿を思い浮かべたり、「良妻賢母」にあこがれを感じた経験はあるのではないでしょうか。
また雑誌やテレビに出てくる、優雅なお金持ちの奥さまと、あくせく働く自分を比較しては、「大金持ちの奥様になってみたい!」と他力本願な欲求を感じたことがある人だって、私だけではないはずです。
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