JTBが「観光地のホテル開発」に200億円投資へ 沖縄県北部では2023年から「実験店舗」を開業
観光地のエリア開発において、最も重要なのがホテルなどの宿泊施設だ。滞在日数が伸びれば地域の周遊観光につながり、観光消費額は引き上げられる。
沖縄北部には美ら海水族館や瀬底ビーチなどがあるものの、宿泊施設は近隣の恩納村と比べると見劣りする。恩納村には「ハレクラニ沖縄」(三井不動産系)や「ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾート」など、沖縄本島を代表するホテルが集積している。
「実験店舗」で効果を計測中
JTBによるホテル開発の「実験店舗」として位置づけられるのが、本部町で開業した「ザ・プール&サウナ ヴィラ モトブ」だ。
JTBが大部分を出資して2023年に取得した。全室7室は160平米と広々としており、プライベートプールやサウナまである。運営は現地の事業者が行っている。客室の違いや地域開発によって、客室単価にどのような差が生まれるのかを計測しているところだ。
夏は繁忙期ということもあり、大手オンライン予約サイトでは、1泊7万円前後(1泊2名、素泊まり)、サウナ付きの客室では9万円前後(同)で販売されている。「7〜8月は掲げていた目標を達成できている」とエリア開発事業部の大崎則彦部長は語る。
JTBは香川県の小豆島でもエリア開発事業をスタートさせた。小豆島は来島者の6割以上が日帰りする人たちで占められており、観光による経済効果が限定的となっている。観光地までの交通網の脆弱さなどが課題だった。
そこでJTBはさまざまな企業と連携し、8月1日からシェアサイクル160台を島内に導入した。今後は自動運転バスの実証実験やホテルなど滞在施設の誘致も行う予定だ。

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