大阪メトロ堺筋線「飛び地」にある車両基地の内側 阪急沿線、東吹田検車場ならではの作業とは?

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堺筋線は、1969年に天神橋筋六丁目―動物園前間で営業を開始。1993年には動物園前―天下茶屋間が延伸された。もともと同線は大阪市外に延びる私鉄との相互直通運転を前提に計画が進められ、その相手として阪急電鉄と南海電気鉄道が名乗りを上げた。

ただし、この2社は線路幅が違うため、どちらか一方としか直通運転ができない。協議の末、阪急と直通運転を行うことが決まり、車両の規格も同社との間で調整。結果、御堂筋線などと同じ線路幅ながら集電方式は架線式とされ、車体の寸法も少し異なる“独自仕様”が生まれた。

また、堺筋線は車両基地をどこに設けるかも問題となった。全線にわたって大阪市の中心部を通るため、沿線での用地確保は難しい。そこで当時の大阪市交通局は、乗り入れ先である阪急の沿線に車両基地を設けることとした。

他社線の沿線に車両基地を設けるケースは、首都圏では東京メトロ半蔵門線の鷺沼車両基地(東急電鉄の沿線に立地)などの例があるものの、それ以外では極めて珍しい。

東吹田検車場の内側

阪急京都本線で京都河原町方面から大阪梅田方面に向かうと、正雀駅の手前で右側に阪急の車両基地が見えるのに続き、同駅の先でも左側に車両基地が出現する。これが、大阪メトロの東吹田検車場だ。

「東吹田検車場は広さが約4万1000㎡あり、屋外留置線14線のほか車体洗浄装置や検査場を備えています。所属している車両は堺筋線用の66系17編成で、その定期検査をすべてここで行っています」と、案内してくれた磯部周治さんは話す。

スタッフは全部で45人だが、そのうち2割は事務部門。さらに、車両トラブルに備えた夜勤スタッフもいるため、日中に検車場内で検修にあたるスタッフは意外と少ない。「他の検車場と比べても小規模ですが、その分お互いの顔を見ながら和気あいあいと仕事ができています」。

東吹田検車場 留置線
東吹田検車場の北側全景。留置線が広がる(撮影:伊原薫)
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