ファーウェイ「新型高級EV」ベンツ・BMWに挑戦状 北京汽車と組み、最新の運転支援システム搭載

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「中国のエグゼクティブカー市場では(外資系メーカーが圧倒的に強く)、2023年の中国メーカーのシェアはわずか8.3%だった。見方を変えれば、中国メーカーにとっては巨大な潜在市場だ」

北京汽車集団の董事長(会長に相当)を務める張建勇氏は、享界S9の発表イベントでそう述べ、外資系メーカーからの市場シェア奪取に意欲を見せた。また、北京汽車集団の立場から見たファーウェイとの協業関係について、張氏は次のように語った。

「ファーウェイには複数のパートナーがいるが、わが社と彼らのパートナーシップは緊密だ。自動車メーカーの本分は、自社独自のイノベーションと社外とのオープンな協業を通じて、消費者によりよいプロダクトを提供することにある。独自開発の殻に閉じこもる必要はない」

鴻蒙智行の販売実績は、現時点ではファーウェイと賽力斯集団が共同で立ち上げた「問界」ブランドが大部分を占める(写真は鴻蒙智行のウェブサイトより)

張氏の発言の背景には、自社のクルマに搭載する自動運転システムを独自に開発すべきか、それとも(ファーウェイなどの)社外のプロバイダーに任せるべきかという、中国の自動車業界内で続く論争がある。

鴻蒙智行の評価はこれから

例えば、国有自動車最大手の上海汽車集団の董事長を務める陳虹氏は、自動運転システムの独自開発にこだわる立場を取る。陳氏はかつて公の場で次のように発言した。

「自動運転はクルマの魂と言える技術だ。自らの手中にしっかり握らなければ、自動車メーカーは“ドンガラ”を作るだけの存在になってしまう」

一方、鴻蒙智行に参加した自動車メーカーは、自動運転システムの開発を事実上ファーウェイに委ねた。その決断が正しかったのかどうか、評価するのはまだ時期尚早だろう。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

鴻蒙智行は2024年上半期(1~6月)に合計19万4000台を販売した。その大部分は、ファーウェイと民営中堅メーカーの賽力斯集団(セレス)が共同で立ち上げた「問界(AITO)」ブランドが占めている。

ファーウェイは2023年11月、国有中堅メーカーの奇瑞汽車と共同開発した高級EV「智界(ラグシード) S7」を鴻蒙智行の第2弾のブランドとして投入したが、目下の販売実績は月間3000台前後にとどまっている。

(財新記者:劉沛林)
※原文の配置は8月6日

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