マクドナルド、実は復調の兆しが見えている 8月の既存店はプラス、回復が続く条件とは?

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さらに下半期にかけては新商品の投入が計画されている。海外のマクドナルドで人気の高いメニューに加え、北海道産チーズや長野県産のブドウを使用した新商品を投入するという。「業績回復の起爆剤はメニューだ」とカサノバ社長が強調するだけに、今後の回復を占う上でも重要な商品戦略となりそうだ。

とはいえ、商品面の施策だけで客足が戻るとは限らない。ビジネスリカバリープランでは、不採算店の閉鎖や店舗改装についても触れられていたが、こちらの進捗は決して順調とは言えない。

今期は不採算店の閉鎖を131店計画しているものの、上期中に閉店したのは1店もなかったうえ、改装についても年間500店の計画のうち、上期は27店にとどまった。「不動産所有者やFCオーナーとの協議にある程度の時間がかかる」(財務本部の増田雄高・上席部長)ことから、思うように店舗施策が進んでいない状況だ。

費用負担が重く、改装が進むか不透明

改装費用については、原則FCオーナーが負担しなくてはならない。マクドナルドの場合、現在7割の店舗をFCが運営しているが、店舗売り上げの減少で経営が苦しいオーナーたちが積極的に改装に応じるかは不透明な部分もある。

「8月の既存店はプラスにする」と回復の見通しを示したカサノバ社長

カサノバ社長は「8月の既存店売上高はプラスに転換する」と述べ、足元の状況について回復しているとの見通しを示した。だが、昨年8月といえば、7月下旬に期限切れ鶏肉の使用問題が発覚した直後。現に、同月の既存店売上高は前年同月比で25.1%減となっているだけに、増収へのハードルは決して高くない。

競合するモスバーガーやケンタッキーフライドチキンの既存店売上高が前年超えで推移する中、マクドナルドは客数回復を遂げることができるか。既存店売上高を単にプラスにするだけではなく、そのプラス幅を高い水準で保てるかが、回復度合いを見極めるポイントとなりそうだ。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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