君はバートランド・ラッセルを知っているか 論理哲学はこうして発展してきた

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だが無限と真正面から向き合った天才たちには、無限の苦しみも付きまとった。カントールは狂気に陥り、ゲーデルはパラノイアから餓死し、ヒルベルトの息子は統合失調症と診断されたという。

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集合論というアプローチから、無限にも段階があることを発見したカントール。

また、エキセントリックな天才弟子・ウィトゲンシュタインも、この探求において重要な役回りを演じる。ラッセル同じ夢を見たのも束の間、やがて二人の仲は疎遠になり、ウィトゲンシュタインは戦争の最前線へと赴く。非合理の極みである戦争が、世界を覆い尽くそうとしていた。

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集合論というアプローチから、無限にも段階があることを発見したカントール。

しかしその後、「数学の基礎」のバトンを受け継いだゲーデルやチューリング、フォン・ノイマンらの尽力のもと、論理学は計算機科学へと結実し、やがてコンピュータ創世に至るまでの道筋が一本の線でつながっていくのだ。

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歴史的な名シーン。ゲーデルが「解答不可能な問題が必ず存在する」と述べると、聴講していたジョン・フォン・ノイマンは「これで終りだ!」と呟いた。
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