需要低迷により、アジアの家電業界の見通しは悪化《ムーディーズの業界分析》

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 ムーディーズは、欧米市場における家電製品売り上げの増減率が0~5%の間で推移している間は、業界見通しはおおむね安定的であると判断している。また、このレンジを上回るケースや、下回るケースについては、それぞれポジティブまたはネガティブと基本的には考えている。

したがって、たとえば中国市場の成長率が20%を超えていても、先進国市場(特に欧米)の成長率がおおむね0~5%であれば、ムーディーズは「安定的」との業界見通しを維持している。実際、中国市場においては高成長が続いていたが、欧米市場の成長率はおおむね0~5%の範囲で推移していたため、アジアの家電業界の見通しは09年11月以来、安定的としていた。

ムーディーズは、業界見通しを判断する際の主要指標として、主要市場における家電製品の売り上げ成長率を使っているが、このほかにも、需給バランス、平均販売価格、液晶テレビ・大型液晶パネル等の主要製品市場の競争環境など、他の要因についても検討を加えたうえで、業界見通しを判断している(図表参照)。

図表:アジアの家電業界の業界見通しを決定するうえでの主要要因の評価

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しかしながら、ムーディーズは、需要の低下が供給過剰、価格下落、競争激化などを引き起こすと考えられることから、これらの要因は結局のところ、需要の強弱の影響を受けると考えている。

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