JR西「人型重機」の人機一体、2足歩行ロボで新展開 「マクロス」の河森正治氏デザイン、変形機能も

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金岡氏は「過酷で危険を伴う労働環境において人間に代わって人機が作業を行えば、人間を生身の苦役から解放することができる」という確信を持つ。人機が社会に欠かせない存在となれば、自動車やコンピューターのような主要産業になる。この日の発表会は実現に向けた「スタートライン」なのだという。

では、何が発表されたのかというと、2つある。1つ目は「零式人機」をベースに日本信号が製品化した「多機能鉄道重機」の実戦デビュー。JR西日本が7月から和歌山県内の鉄道の営業線において同機を使って保線作業を始めた。日本信号は外販にも意欲的で、会場では販売用のチラシも配られていた。

日本信号 多機能鉄道重機
「零式人機」をベースに日本信号が製品化した「多機能鉄道重機」(記者撮影)

「よちよち歩き」に見える理由

もう1つ発表されたのは2本足歩行する人型ロボットである。JR西日本の営業線で実用化された人型重機は人型といっても上半身のみ。今回登場したのは川崎重工業が研究開発を行っている人型ロボット「Kaleido(カレイド)」をベースに人機一体の制御技術を組み合わせた「零一式カレイド」である。

川重は1969年に国産初の産業ロボットを発表した産業ロボットの老舗。2015年には人間と同じ生産ラインで細やかな作業に従事できる双腕の協働ロボット、2017年には熟練技術者の微妙な動作を再現することができるロボットシステムを開発している。Kaleidoの開発は2014年に着手、2023年に第8世代を開発し、そのハードウェアを人機一体に提供した。

川重 ロボット Kaleido
川崎重工業が開発する2本足歩行ロボット「Kaleido」(記者撮影)

零一式カレイドは昨年12月に都内で開催された「国際ロボット展」でお披露目されており、今回が初めてではない。しかし、国際ロボット展では上半身のみの操作デモンストレーションだったが、今回は全身を動かした。下半身の操縦も上半身と同じく、操縦桿を通して行われる。右足の操縦桿をあげると、ロボットも右足をあげる。

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