マツダ、「ロードスター」が乗り越えた苦難

4代目は発売から2カ月で年間計画を"突破"

今はスバル車に乗っているという30代の男性は、「開発者と話せたことでマツダに親近感が湧いた。この車にこれだけ力を入れているという熱意も伝わってきた」と購入に前向きな様子だった。

会場では、写真を撮ってすぐインターネットに投稿する参加者もおり、特別なイベントが発売前の話題作りに大きな役割を果たしたといえる。マツダの遊上孝司ブランド推進部長は、「直接お客様とふれ合うことで深いコミュニケーションができる。こうした活動を広めていきたい」と話す。

新世代商品群のトリを務めたロードスターだが、もともとは2012年の発売を予定していた。それが、ある事情から投入が”後回し”になった。

2009年に開発チーム"解散”

 

リーマンショックが直撃し、2008年度決算で714億円の大赤字に転落することが分かった2009年4月、開発責任者を務める山本修弘主査は、開発チームに一端解散を告げる。資金や人材など、開発リソースを量販車種に集中することになったためだ。

だが、山本主査は1週間後にメンバーを絞ってチームを再結成した。そこで掲げた最大の目標は、車両を軽量化して「1トン以下」にすること。実は3代目の発売後、ファンから「なぜ車を重たくしたのか」といった声が複数寄せられていた。3代目は1110キログラムと2代目と比べて80キログラム、初代からだと170キログラム重くなっていた(いずれもベースグレードの比較)。

安全対応などからやむを得ず車重が増えていたが、ユーザーの声を受けて、ロードスターの強みは小型軽量な車体が実現する走行性能にあると再認識。「初志を忘れずに、もう一回原点に返る」(山本主査)という思いで、開発チームは初代の「人がクルマを楽しむ感覚」をより進化させることに力を注いだ。

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