アップル株価が半年ぶりの安値水準を記録 「ダウ指数の呪い」がついにかかったか
[ニューヨーク 4日 ロイター] - 「ダウ指数の呪い」がついに米アップル<AAPL.O>にもかかったのか──。アップル<AAPL.O>の株価は第4・四半期(7─9月)売上高見通しの発表が失望を誘った7月下旬以降、下げ歩調で、4日のニューヨーク市場では一時半年ぶりの安値となる113.25ドルをつけた。
ダウ工業株30種<.DJI>に採用された銘柄は直前に数カ月上昇しながら、採用後にアンダーパフォームするというのがいわゆる「ダウ指数の呪い」だ。3月半ばにダウ銘柄になったアップルはしばらくは堅調を維持していたが、7─9月期売上高見通しが予想を上回り、4─6月期のiPhone(アイフォーン)販売台数が一部アナリスト予想に届かなったことから売りが膨らみ、結局現在の株価はダウ銘柄採用時点から10%下がっている。
最近の株価下落でアップルの時価総額は約1000億ドルが吹き飛んだ。これは同じダウ銘柄のボーイング<BA.N>やマクドナルド<MCD.N>の時価総額そのものに等しい。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)の保有する自社株1億1000万株強は、株価が最高値をつけた4月終盤に150億ドル近かった時価がおよそ127億6000万ドルまで目減りした。
ストラテジストは株安について、これまでずっと値上がりしてきたからだとみている。実際、アップル株は2013年4月の安値から137%も上昇した。さらにモーニングスターによると、アップル株を保有するファンドは各種取り混ぜて5700本強に上る。
ワンダーリッチ・セキュリティーズのチーフ市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は「過剰に保有されている銘柄にもっと違う買い手を見つけるのは難しい。そうした状況によってアップル株が持つ固有の勢いが崩れ落ちつつある」と指摘した。
アップル株は今週に入って長期的なトレンドの目安とされる200日移動平均を割り込み、弱気心理が強まった。
キャピタル・アドバイザーズのマネジングディレクター、チャニング・スミス氏は「多くのテクニカル(チャート分析)トレーダーにとって、これは売りのサインだった」と話す。
キャピタル・アドバイザーズ傘下のあるファンドはアップル株を保有しているが、昨年持ち分を減らした。
同氏は「アップルのエコシステムはかつてないほど強力になったとはいえ、非常に成熟した段階に入っている。アップルは良い銘柄だが、この先抜群の優良銘柄にはならないとわれわれは考えている」と説明した。
ビスポーク・インベストメント・グループのアナリストチームは、アップル株が200日移動平均を下回った時点で、一般的に言うとこうした動きによって少なくとも1週間は弱気トレンドに幾分拍車がかかる傾向にあるとの見方を示した。
ヘッジファンドのシーブリーズ・パートナーズ・マネジメントのダグラス・カス社長は調査ノートで、これから投資家やアナリストはアップルに目立った変化をもたらす可能性があるさまざまな要因を突き止めていくことが強く求められる、と警告している。
(Saqib Iqbal Ahmed記者)
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