アップルが時価総額首位の座から陥落、7~9月期54%増益も“期待外れ”
アップルは米国東部標準時18日17時、2011年度第4四半期(7~9月期)決算を発表した。売り上げは282億7000万ドル(対前年同期比39.0%増)、純益66億2300万ドル(同53.7%増)という結果だった。投資家がもっとも注目する指標である1株利益(EPS)は7.05ドル(前年同期は4.64ドル)となった。
年間純益はトヨタのピークを超える2兆円に
直近1年間(10年10月~11年9月)で見ると、売り上げ1082億4900万ドル(対前年同期比66.0%増)、純益259億2200万ドル(同85.0%増)。1ドル76.75円で換算すると純益は2兆円を超える。つまり、トヨタ自動車のピークの純益である1兆7178億円という記録を、あっさり追い抜いてしまったことになる。
この四半期の成長事業も、もちろんiOS搭載製品であるiPhone(アイフォーン)とiPad(アイパッド)だ。iPhoneは販売台数1707万3000台(前年同期は1410万2000台)、売り上げ109億8000万ドル(前年同期は88億2200万ドル)、iPadは販売台数1112万3000台(前年同期は418万8000台)、68億6800万ドル(前年同期は27億9200万ドル)という成績だった。この2つの製品だけで全売り上げの63%を占める計算だ。
米IT業界における主要6社の売り上げ、純益を四半期ごとに比較したのが上のグラフ。アップルの売り上げ規模は3四半期連続でIBMを上回った。いまだにアップルより売り上げ規模が大きいのはヒューレット・パッカード(HP)のみだが、もはやその差はほとんどない。
ただし大きな変化があることに気がつくだろう。前四半期まではアップルの成長率の高さだけが際立っていたが、今決算では明らかにその勢いにかげりが生じた。純益の折れ線グラフはかなり鋭角に右下を向いてしまった
実際、今回発表した決算は証券アナリストの予想平均を下回るものだ。アナリスト予想平均は売り上げ296億ドル、1株利益7.31ドル。売り上げは前四半期(4~6月)より伸び、1株利益も前四半期の7.79ドルを大きく下回ることはない、という見立てだった。しかし、結果は前四半期と比べて大幅な減益となった。
10月に新型iPhoneの登場がうわさされていたことから、買い控えがあって当然なのだが、証券アナリストたちはそれを乗り越えるような大きな成長を予想していたということだ。