auのアイフォーン販売で岐路に立つソフトバンク

auのアイフォーン販売で岐路に立つソフトバンク

「今月に入って、KDDIからソフトバンクへの顧客流出はほぼゼロ。アイフォーン効果は絶大ですよ」。これまでソフトバンクが独占的に取り扱ってきたアイフォーン。同機種の最新版「4S」の取り扱い開始をKDDI(au)が発表してからというもの、auを主体に取り扱う都内の販売代理店には予約客が殺到している。「予約開始後の5日間だけで、1カ月の総販売数と同等の予約が入っている」という。10月14日の販売当日は開店時間を午前8時と、平常よりも2~3時間早めて対応する。

一方、顧客流出が懸念されているソフトバンク側の販売代理店も「昨年発売された『4』よりも予約数は多い」(都内代理店の社長)。ユーザーの裾野が広がってアイフォーンの需要そのものが拡大しており、新型アイフォーンはどちらの代理店にとっても追い風となりそうだ。

KDDIが取り扱いを開始することで、注目されるのはソフトバンクの価格戦略。が、今のところ収益性悪化を恐れてか、過激な対抗策は打ち出していない。通信料金は従来どおりで、端末価格に至ってはKDDIより若干高めの設定だ。端末の最大受信速度はソフトバンクが上回るが、これはあくまでも理論値で、通信網の混雑具合により実測値は大きく左右される。ソフトバンクの回線はすでに逼迫した状況にあるだけに、通信網が相対的に優れるKDDIのほうがスピードが出るという見方も根強い。

KDDIは実機を使った検証により、「ソフトバンクの4Sよりも、うちのほうが速い」(経営陣)と自信を深めている。発売後、劣勢に立たされることになれば、ソフトバンクは対応策を迫られることになるだろう。

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(週刊東洋経済2011年10月22日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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