絶好調S&P500が急落「米国株」に起きていること アマゾン、アップル、メタ… ハイテク株で明暗

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

アメリカ株式市場で、インフラ系のアメリカン・ウォーター・ワークスや通信業界のAT&T、生活必需品関連のコカ・コーラ、P&Gなどの株価が逆行高となっているのは、景気急悪化時に備えたい投資家の退避先となっているためであろう。

そしてもう1つ、波乱を助長したのが中東情勢の悪化である。

イランの反発が強まる可能性もあり、中東問題の先行きが一気にわかりにくくなった。通貨のイスラエル・シュケルが対ドルで急落しているほか、金先物価格も上昇した。米国株では防衛関連のRTXやノースロップ・グラマンなどの株価が上昇。中東情勢を気にしている投資家が多いことが見て取れる。

足元で発表が続いている2024年4~6月期の決算はどうだろうか。

4~6月期のS&P500企業の増益率予想は期初時点で前年同期比プラス10.6%だったが、8月2日時点では同12.9%と期初予想を上回る内容となっている。

ハイテク関連の株価は明暗わかれる

一方、ハイテク株を中心に好業績を先回りする形で7月中旬にかけて株高となっていたこともあり、決算発表自体のハードルが上がっていた。

台湾半導体大手のTSMC(写真:jack / PIXTA)

序盤に決算を発表した半導体関連のASMLホールディング(オランダ)と台湾TSMCの2社の株価は、決算後に軟調な動きとなった。7月17日に決算を発表したASMLは、当日の株価がマイナス13%だった。

TSMCは、2024年度の売上高⾒通し(⽶ドルベース)を、前期⽐20%台前半〜半ばの増収から20%台半ばをわずかに超える増収に引き上げた。それでも株価が軟調だったのには、アメリカ大統領候補のドナルド・トランプ氏が「台湾防衛に懐疑的」と受け止められる発言が伝わり、地政学リスクが改めて意識されたというアンラッキーな一面もあった。

「”トランプトレード“はプラスの側面ばかりではない」との認識が広がり始めたのも、ちょうどこの頃だ。

さらに、IT大手のアルファベット(グーグルの親会社)やアマゾン、EV大手のテスラも決算発表後に株価が下落。時価総額上位企業の株価リアクションの悪さが、投資家心理を冷やした。

関連記事
トピックボードAD