日本のイタリアンの聖地は意外な県にあった 有名チェーンも恐れるローカル店が立ち並ぶ
高崎では数年前から「パスタの街」を猛アピール。さらに市民が協力してパスタマップを作成したり、パスタコンテストを行ったりなどまさにパスタ三昧。余談だが何の因果か、地図で高崎市の形を見ると、なんとイタリアに似ている。
高崎がこれほどパスタ好きなのには、ほかにも理由がある。イタリアン好きな高崎市民がそろえて口にするイタリアンレストランの名前がある。それが「シャンゴ」だ。
高崎市で人気のイタリアンレストラン「シャンゴ」
取材班がシャンゴに行ってみると、お昼どきでもない時間帯に大行列をつくり、店はもちろん大繁盛していた。実はこのシャンゴの先代社長、関崎省一郎さんこそが、群馬にパスタを持ち込んだ人物だといわれている。
およそ40年前、当時まだイタリアンレストランなどほとんどなかった時代に、関崎省一郎さんは広い駐車場を備えた大きな店を出店。高崎で外食ブームが起きたきっかけをつくった。そんなシャンゴのオリジナルパスタが驚きだ。
何とパスタの上に大きなトンカツが乗り、そこにたっぷりのミートソースがかかっている。これこそ、シャンゴの一番人気である「シャンゴ風スパゲティ」だ。ボリュームがあるのは、カツだけではない。麺の量も、一般的なパスタの約2倍もある。
開店当時「戦後の貧しい時代だからこそ美味しい物をたらふく食べて欲しい!」と関崎省一郎さんがこだわったのが大盛りパスタ。そして、関崎省一郎さんは、多くの弟子を育てた。
これら関崎さんの弟子が次々と独立し、さらに自分の弟子をつくっていくことで、イタリアンレストランが次々と設けられたということもあるようだ。イタリアから遠く離れた日本の一地方に、多くのイタリアンレストランが密集する街が構築された。その原点のひとつは、ひとりの男の情熱にあった。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら