希代のカリスマ経営者、ジョブズ氏逝く 新製品発表の翌日に死去

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希代のカリスマ経営者 アップル、ジョブズ氏逝く

巨星堕つ──。米アップルは10月4日の新製品発表会を終えた翌日、共同創業者で8月までCEOを務めていたスティーブ・ジョブズ会長が死去したことを明らかにした。享年56。

アップルはホームページのトップ画面に次のようなメッセージを添えた。

「アップルは、ビジョナリー、創造力の天才を失った。世界は、素晴らしい一人の人間を失った。共に働いてきた幸運な私たちは、親友、精神的な指導者を失った。スティーブは彼にしか作れない会社を残した。そしてその精神は永遠にアップルの礎となる」

20歳のときにスティーブ・ウォズニアック氏とシリコンバレーのガレージでアップルを創業。「アップル�」、続く「マッキントッシュ」でパーソナルコンピュータ革命を主導したが、30歳のときにはアップルを追放された。

アップルはジョブズ氏と同じ1955年生まれのビル・ゲイツ氏率いるマイクロソフトとの覇権争いに敗れ、存在感を失っていく。その間、ジョブズ氏はアニメーションスタジオ「ピクサー」を創業し成功させた。

97年にはアップルに復帰。すると、製品ラインナップを一気に整理し、アイポッド、アイフォーン、アイパッドなど優れたデザインのコンピュータ機器を次々と生み出す。破綻寸前の企業を株式時価総額3500億ドルのエクセレントカンパニーへ変貌させた。

ジョブズ氏の遺作

また2003年からは、自身の生命を脅かすがんとも戦い続けた。そして急成長が続くさなかに、この世を去った。

 

 

悲しみの中、10月14日に売り出されるのが、「アイフォーン4S」だ。米国では従来のAT&T、ベライゾンに加え、スプリント・ネクステルも取り扱いを開始。日本ではソフトバンクのほか、KDDIも販売するため、一段と買いやすくなる。しかも今回は初日から日本を含む世界7カ国で売り出し、月内には22カ国へ広がる。ジョブズ氏最後の作品を手にしたい世界中のファンが殺到するのは間違いない。

昨年6月、米国、日本など5カ国で販売を開始した4は発売から3日で170万台の売り上げを記録した。これも驚異的な滑り出しだったが、4Sは予約が初日だけで100万台を突破、4を上回るスタートダッシュを見せることになりそうだ。

(山田俊浩 =週刊東洋経済2011年10月15日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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