洗濯の問題があまりにも「洗濯機」にありすぎる訳 部屋干し臭や黄ばみをもたらす「意外な原因」

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そうなのです。洗濯ネットに入れると衣類が十分に動くことができず、汚れをきちんと落とすことができません。そればかりか、ネットに入れたり出したりする手間や、前処理や予洗いなどの余計な手間を増やして、洗濯を大変にさせてしまっている、ともいえます。

えっ、じゃあデリケートな衣類はどうしたらいいのですか?と聞かれそうですが、そもそもネットに入れてまで扱うようなデリケートなアイテムは、家庭での洗濯に向きません。ネットに入れて洗っても、その服の持つよさを変化させずに洗えるわけではありません。

ネットに入れたところで気休めでしかなく、長く着られない、思った仕上がりと違うというような残念な状態にもなりやすい。そういった服はやはりクリーニングが向いているのです。

洗濯のやり方ではなく考え方を知ろう

「洗濯の基本が大事」と書くと、なんか手がかかりそうとか、面倒臭そうとかと思ってしまう人もいるかもしれません。

「細かいことはどうでもよくて、汚れが落ちればいい」とか、「洗い方やオススメの洗濯アイテムをサクッと教えてほしい」という人もいると思います。むしろ、そういう人がほとんどでしょう。

でも、この「基本」を押さえることこそが、一番効果が出て、効率もよく、洗濯を簡単にする方法です。

洗濯は本来、極めてシンプルなもので、対処法としてそんなに数があるわけではありません。だから、基本の部分だけきちんと覚えれば、その後は、ものすごく楽になります。

洗濯のやり方について講座などでお伝えしていると、みなさんそれぞれすごく工夫して考えて洗濯をされているなと感じます。

ですが、よかれと思って強い洗剤やアルカリ剤を使ったり、漂白剤などでつけ置きをしてみたり、1枚ずつネットに入れて洗ってみたり、手洗いして洗ったりしたことが、かえって洗濯の効果を下げていたり、洗濯を大変にさせていたりすることも少なくありません。

どう洗っても服がシワになったり、汚れが落ちなかったり、襟元が伸びてヨレヨレになったり。ていねいに洗濯をしているつもりが思った仕上がりにならなくて、ストレスを感じてしまっている人が多いように感じます。

何が原因で、どうしてそうなるのか。基本がきちんとわかっていれば、同じ洗濯機、同じ洗剤でも、よりキレイに、より服を傷めずに洗うことができます。

ですから、単に洗い方だけではなく、そこに理屈や理由といった「洗濯の考え方」を少しだけ入れてほしいなと思います。難しいことは何もありません。少しだけ基本からズレていた部分を修正すれば、もっと服はキレイになるし、もっと長持ちするし、もっと気持ちよく着られます。

洗濯そのものはもっともっと楽になります。そして何より、日常の暮らしがより快適で、心地のよいものに変わっていくはずです。

中村 祐一 洗濯家 国家資格クリーニング師

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なかむら ゆういち / Yuichi Nakamura

1984年3月1日生まれ。長野県伊那市のクリーニング会社「芳洗舎」3代目。「洗濯から、セカイを変える」という信念のもと、2006年から「洗濯アドバイス」という分野を切り開いてきたパイオニア。洗濯から考える、よりよい暮らし方の提案を行い、「衣・食・住」における「衣文化」の革新に洗濯の側面から取り組む。「洗濯王子」の愛称で、NHKなどのテレビ出演、日経新聞連載など各種メディアにも多数出演し洗濯のアドバイスを行う。全国各地のクリーニング店メンバーと共同で運営する、洗濯のキホンを伝える講座「ゼロから学ぶ洗濯」も好評開催中。

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