ワールドの「決断」を遅らせた創業家の体面 なぜリストラは2段階に分けられたのか

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「タケオキクチ」の渋谷本店(撮影:梅谷 秀司)

「タケオキクチ(TAKEO KIKUCHI)」「インディヴィ(INDIVI)」「アンタイトル(UNTITLED)」「ハッシュアッシュ(HusHusH)」などのブランドを持つ大手アパレルメーカーのワールドが、大規模なリストラを断行中です。

ワールドは7月24日、7月初めから募集していた早期希望退職の応募を締め切りました。7月30日時点では、「結果はまだまとまっておらず、8月中旬をメドに発表する予定」(ワールド広報部)となっています。

全社員の4分の1、約500人を削減へ

今回の希望退職を改めてまとめると、40歳以上60歳未満の正社員のほか、定年退職後に再雇用された60歳以上の契約社員も対象となったようです。人数の規模について会社側は公表していませんが、複数の報道をまとめると約500人とされ、全社員の4分の1に当たる人員削減が進められているようです。

リストラはこれだけではありません。4月に創業家以外で初めてワールドのトップに就いた上山健二社長は、今回の希望退職による人員削減を含め、リストラを大きく「2段階」に分けて実行してきました。

第1段階は5月18日。2016年3月期中に、全店舗の約15%に当たる400~500店舗の閉鎖や、現在約90ブランドあるうちの10~15の不採算ブランドを廃止することを発表しました。閉鎖は赤字の店舗だけでなく、たとえ利益が出ていても収益性の低い店舗も対象になるようで、上山社長はこの日、2017年3月期には2015年3月期の約2倍にあたる100億円以上の営業利益を目指すと表明しました。

上山社長は4月の就任直後から、コスト削減とネット販売の強化で業績を改善し、「2~3年後をメドに黒字転換という結果を出す」と明言。手始めに東京・南青山のオフィスを晴海に移転することを打ち出していました。これは賃料を大幅に削減するためでリストラの一環ともいえますが、やはり目玉は、その後に明らかとなった店舗閉鎖と人員削減にあります。

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