外国人従業員の増加で変化を迫られる企業の対応《組織・人を強くするCSR 第5回》
こうした問題を解消するために、外国人社員がある程度日本語を理解するということは必須であるが、受け入れる企業側にも、言語面を越えた組織・制度上あるいは日常業務遂行上のさまざまな配慮や施策が求められる。
国内外を問わず外国人社員に活躍してもらうための主なポイントとして、以下のような点が挙げられるだろう。
・日本人以上に積極的なコミュニケーションを心掛ける。
・日本人のような“あうんの呼吸”や“行間を読む”を期待せず、明確な説明・伝達が必要。
・同じ言葉(単語や言い回し)でも、日本人と解釈が違う場合があることを認識しておく。
・日本人に比べてキャリア形成や能力開発に対する意識が強く、より短期的な視点を持っていることを認識しておく。
・日本人に比べて自己の役割や職務内容に対する意識が強いため、それらに基づいた業務目標設定は特に明確にしておく。
・上記に関連して評価上のコミュニケーション(目標設定面談やフィードバック面談)は、特に具体的な基準を設けて説明する。
・役割や職務に基づいた自己の組織貢献度に対する報酬(金銭的以外も含む)を明確にしておく。
・権利に関する考え方が違うことを認識しておく(特に海外では“人権”に対する考え方が違う)。
・信仰上、生活習慣上、道徳上の差異を認識し配慮する。
などである。