ファナック、「スマホ特需」失速で下方修正へ 高利益率の優等生に急ブレーキがかかった

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ファナックの稲葉善治社長は今回の下方修正からどう挽回するか

これは「今まで活発だった一部IT産業の短期的な需要が、第1四半期末にかけて受注が急減」(ファナック)しているためという。また、「中国などの設備投資動向において不透明な状況が続いている」(同)と、中国経済の減速懸念も下方修正の理由として挙げている。

一般的に工作機械業界は、顧客であるメーカーの設備投資次第という特性から、景気の影響を受けやすい。2008年秋のリーマンショックをはさみ、ファナックの売上高は、2008年3月期の4683億円から、2010年3月期2533億円まで、2年間で半分近くまで減らした経験がある。

中国経済の変調が深刻な状況となれば、ファナックの業績は大きく落ち込む可能性がある。一方では再びスマホ新製品が牽引する特需が発生する公算もある。前期は過去最高益の業績を記録したファナックだが、中国市場が読めない今期は、しばらく一進一退の状況が続きそうだ。

宇都宮 徹 東洋経済 記者

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うつのみや とおる / Toru Utsunomiya

週刊東洋経済編集長補佐。1974年生まれ。1996年専修大学経済学部卒業。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信の担当を経て『週刊東洋経済』編集部に。連載の編集担当から大学、マクロ経済、年末年始合併号(大予測号)などの特集を担当。記者としても農薬・肥料、鉄道、工作機械、人材業界などを担当する。会社四季報プロ500副編集長、就職四季報プラスワン編集長、週刊東洋経済副編集長などを経て、2023年4月から現職。

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