戦後70年、いまだに敗戦国扱いされる日本

国連とは第二次大戦の「連合国」の意味である

フランス人のみを法を守る優れた国民であると決めつけたうえでの、強引な論理に反感を持ったジャーナリストが多くいたということだろう。この百地氏の発言に対して会場のあちこちから拍手が湧いたのである。

国連憲章にある「敵国条項」はまだ生きている

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国際連合憲章第51条には、「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が必要な措置をとるまでの間、加盟国は個別的・集団的自衛権を行使できる。加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない」となっている。

周知のように国連安全保障理事会の常任理事国5か国は拒否権を持ち、1カ国でも反対があれば、案件を決定できない仕組みになっている。冷戦時代は互いが拒否権を行使して、朝鮮戦争時以外は国連軍が創設されて軍事行動が取られた例はない。

従って動きのとれない仕組みになっている安全保障システム発動以前に、小国が集団を組んで武力紛争に備えようとしたのが、国連憲章51条の集団的自衛権である。

つまり、このフランス人記者の論理は、国連加盟国ならば自然権として与えられている集団的自衛権は、特殊な国家、たとえば、第二次世界大戦で連合国に敵対した国家にはいまだにこれらの自然権は付与されていない……との考えが思考の中に自然な形で組み込まれてしまっていたと言えないだろうか。

事実、国連憲章には「敵国条項」なるものが存在している。ご存じのように、国連の機構の中には世界遺産を決めるものから、難民救済をつかさどる機構までさまざまあるが、中でも最も重要なのが安全保障理事会である。

ここには常任理事会があって、米国、イギリス、フランス、ロシア(ソ連から継承)、中華人民共和国(中華民国から継承)の5カ国で構成されている。この5カ国のうち、中華人民共和国を除いた4カ国は第二次大戦の戦勝国である。

UNITED NATIONを素直に日本語にすれば「連合国」であり、これを国際連合と訳するのは、平等で平和的なニュアンスを醸し出す日本独特の言い回しであろう。しかしながら、国連の実態はこのような繊細な日本語の言い回しとはかけ離れた実体であった。

次ページでは、「敵国条項」とは?
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