脇を固める顔ぶれも役柄にハマっています。北村一輝が情報集めの図面師、ピエール瀧は関西弁でまくし立てる法律担当、小池栄子はなりすましの手配師、染谷将太は偽造書類を作成するニンベン師という演技派揃いです。
この騙す側と対をなす騙される側では、カメレオン俳優の山本耕史がこれまたいい味を出しています。詐欺に引っ掛かってしまう大手デベロッパーの心理を演技で魅せます。登場人物の相関図には「追う側」も加えられ、地面師を追いかけ続ける定年間近の警部役にリリー・フランキー、バディを組む巡査部長に池田エライザが配役されています。
さらにナレーションをの山田孝之が担当していることもあって、Netflix日本オールスター感もあります。綾野剛(幽☆遊☆白書)にピエール瀧(サンクチュアリ)、リリー・フランキー(パレード)、池田エライザ(Followers)とNetflix日本オリジナルの代表作を演じる役者の名前が連なっているのです。
100億円詐欺の無理ゲーに挑む
先へ先へと展開を追いたくなるストーリーの組み立てが、癖になる理由の1つにあります。強烈なキャラクターたちの個性に頼り過ぎていません。地面師詐欺のイロハの手口を把握したうえで、100億円不動産詐欺という無理ゲーに挑んでいき、難関を1つひとつクリアしていくような感覚を視聴者に起こさせます。
世界観に酔わせる演出力も加わります。ハリソン山中(豊川悦司)がロックグラス片手に「地面師になりませんか?」「誰かを地獄に落としてみませんか?」と辻本拓海(綾野剛)に引き抜き話を持ちかける序盤の会話シーンから知能犯特有のダークな世界観を表現しています。地面師たちが建設中の高層ビルから100億円の価値がある土地を見下ろす夜景シーンも印象的です。
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