斬新!「ポテチバーガー」はココがスゴい カルビーとロッテリアが組む狙いとは?

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外食企業と食品メーカーのコラボ企画は、決して珍しいものではない。カルビー自体も、過去にケンタッキーフライドチキンやモスバーガーなど外食企業と組んだ例は数知れない。ただこれまでは、カルビーの商品に有名外食チェーンの味を取り入れて販売する、というのが一般的だった。

ロッテリアとのコラボはそれらとは一味違う。これまでの事例とは逆に、外食チェーンの商品にカルビーの味を取り入れる、という試みだからだ。ましてや、お互いの主力商品どうしを組み合わせるのは異例。

「われわれは“業界初”というモノへのこだわりが強い。そういう点からも、今回の企画には乗り気だった」(ロッテリアの渡邉稔明・マーケティング部長)

カルビーも限定チップスを発売

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カルビーが発売する「ポテトチップス ロッテリア絶品チーズバーガー味」

一方のカルビーは、ロッテリアの新作バーガー発売から10日遅れで「ポテトチップス ロッテリア絶品チーズバーガー味」を発売する。販売期間は8月3日~9月中旬。「別々の期間で発売することで話題を長期化させていきたい」(渡邉部長)という。

試作の末、ボツとなった商品は30~40種類。「なかなか、ロッテリアさんから許可がおりなくて苦労した」と柳田部長は振り返る。中に挟まれたビーフパティだけでなく、バンズの香りも出すようにしたことで、ようやく商品化にこぎ着けた。

カルビーの狙いは、前述したような「新規顧客の開拓」にとどまらない。今やコンビニの商品棚のスペースをめぐって、食品メーカー各社がしのぎを削る時代。「売れるのはもちろん、話題性のある商品を開発しなければ、大手企業でも陳列してもらうのは容易なことではない」(柳田部長)。 

同社としては、他企業とのコラボによってエッジの立った商品を提供することで、陳列スペースを確保する狙いがある。近年はコンビニが自社で企画・開発を行うPB(プライベートブランド)商品も増えており、「商品の差別化を進める点においても、コラボ企画が重要な戦略となりつつある」(同)。

限定ポテトチップスには、ロッテリアで使用できるクーポンを付けた。これには、ポテトチップスの購入者を店舗へ誘引するというロッテリア側の思惑もある。つまり、一方通行の経路で片方だけが恩恵を受ける商品ではなく、双方向でお互いにとってプラスとなるような枠組みを構築したことが、カルビーとロッテリアによるコラボレーションの特徴といえよう。

今回の企画に続き、すでに第3弾に向けた話し合いも両社間で始めているという。第1弾に続いて、双方がメリットを享受することはできるか。その成否次第で、両社のチャレンジは食品業界における商品開発の新潮流となるかもしれない。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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