紅麹で健康被害「小林製薬」見せかけの企業改革 「ガバナンスの優等生」は形だけだったのか

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両工場内で同種類の青カビ検出

3月末の厚労省などの立ち入り検査で、両工場内で同じ種類の青カビが検出された。この青カビが混入し、「プベルル酸」という物質が発生した可能性があるという。動物実験の結果、プベルル酸は腎障害を引き起こすことが判明。ほかにも青カビが紅麹菌と共培養されることで生成される別の2つの化合物も確認されている。

工場の衛生管理は十分だったのだろうか。サプリメントに関しては、医薬品の製造・品質の管理基準であるGMP(適正製造規範)認定を受けることが推奨されている。しかし、これを強制する制度はなく、事業者の自主性に委ねられている。小林製薬の大阪工場ではGMP認定を取得しておらず、社内のガイドラインなどに基づき検査を行うにとどまっていた。

GMPでは工場の構造や設備の運用方法、製品の衛生管理などを外部機関が査察し、評価をする。「GMPなど第三者認証を受けていないと、自社の基準で品質管理や検査が甘くなる懸念がある。今回は十分な記録も残されておらず、多面的な原因究明が困難になっている」。企業に対して健康食品のGMP認定を行う日本健康食品規格協会の池田秀子理事長はそう指摘する。

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