間もなくパリ五輪「アスリート盗撮」は減ったのか 撮影罪施行1年、盗撮防止機能付きユニホームも
「迷惑撮影巡回中」「場内監視」と書かれた腕章やビブスをつけた係員がスタンドを巡回して撮影者に声がけをするなどの取り組みも増えた。
工藤弁護士は、不適切な撮影と通常のアスリート撮影の違いを指摘する。
「不適切な撮影をしている人は、撮影のアングルやタイミングが普通の撮影者とは明らかに異なります」
ただ、マンパワーによる抑止は完全には難しいという。
「どこの競技現場も非常に苦労しています。安全かつ確実に大会を開催し運営することが最も重要であり、多くの人の善意で成り立っている競技会で、人員をなかなか巡回にまでは割けません。担当者には『観客を疑ってかかるようなことはしたくない』という思いもあります」
赤外線に透けないウェアが登場
極めて悪質な赤外線カメラによる盗撮については、6月、進歩があった。スポーツ用品大手ミズノ(大阪市)が、赤外線盗撮を防ぐ新素材「ドライエアロフローラピッド」を採用したTシャツを発売したのだ。
従来品よりも速乾性や快適性がアップしたうえ、赤外線カメラへの防透け性能も向上している。
パリ五輪のユニホームにも採用され、バレーボール女子、卓球女子、ホッケー女子、近代五種、アーチェリー、ライフル射撃で使用される。
同社グローバルアパレルプロダクト本部の田島和弥さんはこう語る。
「盗撮防止機能自体はありがたくても、パフォーマンスに影響があれば、選手には敬遠されてしまう。その両立がずっと課題でした。スポーツウェアとして優れた機能と赤外線盗撮防止を両立しました」
赤外線カメラは目に見えない赤外線をとらえて可視化する。赤外線は目に見える光よりも透過性が高いため、ユニホームの下に着用した下着や肉体が写ってしまう。
ミズノは20年ほど前から赤外線盗撮を防止するユニホームの開発に取り組み、生地を分厚くしたり、金属を吹き付けたりするなどして「透け」を防ぐ製品を開発してきた。