なぜ?「N-BOX」新型登場でも10%以上の販売減 好敵「スペーシア」と異なる商品力の改め方
一方、インパネ上端を下げたことで、上下方向の厚みとボリューム感が減っている。装飾も控え目になったから、先代の前方視界に不満を感じなかったユーザーの中には、新型では物足りないと感じる人もいるだろう。
ステアリングホイールは、先代は3本スポークだったが新型は2本スポークになった。ここに不満を抱く人もいるはずだ。
収納設備も変更された。先代N-BOXは、トレイや蓋付きのボックスを豊富に設置していたが、新型N-BOXはグローブボックスの容量を2倍に増やした一方で、収納の数は減った。シンプルになった内外装を含めて、全体的にコストダウンされた印象を受けてしまう。
実際に、コスト低減は新型N-BOXの狙いのひとつであったようだ。先代の時点で「N-BOXは販売台数が多いわりに、あまり儲からない」という話が、ホンダの社内から聞かれていた。装飾類を抑えたシンプルな外観と内装、収納設備の削減などは、コスト低減の方向性と合致する。
「大幅値上げした」ように見える
新型は、価格も販売に影響を与えた。販売店では次のように述べている。
「新しいN-BOXは、もっとも安価なグレードでも160万円を超える。その分だけ安全装備などは充実するが、新型では値引きも減ったから、高くなったと受け取るお客様もいる」
先代の価格は、フルモデルチェンジ直前時点で、もっとも安価な標準ボディの「G」が146万8500円、売れ筋の「L」は159万9400円であった。新型の標準ボディは164万8900円だから、価格だけで見ると先代のLよりも約5万円高い。
内容面では、サイド&カーテンエアバッグが標準装着に変更された一方、前席シートヒーターなどは、標準装着から新型ではオプションに変わった。しかし、先進安全装備の機能は大幅に進化しており、値上げ額以上に選ぶ価値は高まったといえる。
それでも販売店がコメントしたように、一番安価なグレードが146万8500円から164万8900円へと約18万円も上がれば、値上げした印象が強まる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら