なぜ?「N-BOX」新型登場でも10%以上の販売減 好敵「スペーシア」と異なる商品力の改め方
文字通り“クルマの顔”であるフロントマスクの形状は、クルマの売れ行きに大きな影響を与えるため、その評判が下がると販売不振の原因になる。
ホンダの場合、フロントマスクの失敗はほかの車種にも見られる。たとえば、2015年に発売された先代「ステップワゴン」は、N-BOXカスタムに相当するエアロパーツを装着した「スパーダ」のフロントマスクを穏やかな表情に仕上げた。
このとき開発者は、「エアロ仕様の派手なフロントマスクは、ほかのミニバンが採用している。そこでステップワゴンは、あえて個性を追求した」と説明した。
ところが、2017年のマイナーチェンジで、大型メッキグリルを装着してフロントマスクの存在感を強めた。改めてその理由を開発者に尋ねると、「売れ行きが伸び悩んだから」と返答された。同様の失敗をN-BOXでも繰り返しているといえる。
個人的には、周囲のクルマを蹴散らすようなデザインは、好ましくないと思う。特に世の中が殺伐としている今、街中の雰囲気に影響を与えるクルマのフロントマスクは、もう少し穏やかな表情であってほしい。
しかし、N-BOXカスタムもステップワゴンスパーダも、理想を追求して売れ行きが低迷すれば、結局はフロントマスクを派手なデザインに変更する。それなら最初から、もう少し上手にデザインすべきではないか。
ホンダの場合、コンパクトカーの「フィット」もフロントマスクの評判がよくないため、これも今後のマイナーチェンジなどで大幅に改めると思う。
実直な改良は評価できるが…
新型になったN-BOXでは、内装のデザインも大きく変更した。インパネは、先代型に比べて上端の位置を70mm下げていることが特徴で、インパネ上面も平らに仕上げて、前方視界を向上させている。
特に小柄なドライバーには、運転がしやすくなったといえるだろう。メーターは液晶のデジタルに変わり、表示できる情報量も増えた。
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