「医者が嫌いすぎる」夫を襲ったまさかの"出来事" 結婚20年の妻も驚き、彼が受診を決意したワケ

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「中年以降の男性に多い印象ですね。ご家族に言われてしぶしぶ受診される患者さんは、けっこういらっしゃいます」という。

このような患者を検査すると、たいていの場合、何らかの病気が見つかる。

「家族が気にするくらいですから、当然といえば当然なのですが……。ご本人もおそらく、異変に気づいていると思います」(菊池医師)

病院嫌いの人に、無理に「受診しろ」とは言えない。一方、「短期間で病気をしっかり治したいと思うのであれば、ドクターショッピングはせず、同じクリニックに通い続けるほうがいい」と菊池医師は言う。

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慢性副鼻腔炎を例に取ると、まず、抗菌薬の少量投与を1カ月ほど続ける。

再度、X線やCTで副鼻腔を撮影して、膿が取り除けていないとわかったら、内視鏡で副鼻腔をきれいにするなど、外科的な処置を検討する……という具合に、段階的に治療を進めていく。

さらに、誠さんのかかっている好酸球性副鼻腔炎に対しては、手術で十分な効果が得られない場合もあり、そのときは2020年3月に登場した生物学的製剤のデュピルマブという薬(皮下注射)の処方が可能となっている。
指定難病に対する薬であるため、医療費助成を受けられることがある。

(関連記事:【治らない副鼻腔炎】実は指定難病、嗅覚低下も

「クリニックを変えてしまうと、途中まで進んでいた治療が一からやり直しになってしまいます。検査やお金、時間も無駄になってしまうのです」(菊池医師)

家族のためにも、医者嫌いは、ほどほどにしたいものだ――。

本連載では、「『これくらいの症状ならば大丈夫』と思っていたら、実は大変だった」という病気の体験談を募集しています(プライバシーには配慮いたします)。具体的なお話をお持ちの方は、こちらのフォームにお送りください。
菊池 大和 きくち総合診療クリニック

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きくちやまと / Yamato Kikuchi

2004年、福島県立医科大学医学部卒。浜松医科大学附属病院にて初期研修医。磐田市立総合病院外科、国立がんセンター東病院呼吸器外科、湘南東部総合病院外科科長・救急センター長、座間総合病院総合診療科などを経て2017年、土日も診療を行う総合診療クリニックであるきくち総合診療クリニックを開業。小児から高齢者まで、救急医療も行い、あらゆる症状を診る「総合診療クリニック」が全国に広がることを目指し、啓発活動にも積極的に取り組んでいる。

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狩生 聖子 医療ライター

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かりゅう きよこ / Kiyoko Karyu

1966年神奈川県生まれ。立教大学経済学部卒。OA機器商社に勤務しながら週刊誌での執筆を始め、フリーランスライターとして独立。現在は健康分野(健康、医療、医学部教育など)を中心に書籍の企画・編集、取材、執筆をしている。著書に「ぐっすり眠る!37の方法」 (宝島社新書)など。

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