「中年以降の男性に多い印象ですね。ご家族に言われてしぶしぶ受診される患者さんは、けっこういらっしゃいます」という。
このような患者を検査すると、たいていの場合、何らかの病気が見つかる。
「家族が気にするくらいですから、当然といえば当然なのですが……。ご本人もおそらく、異変に気づいていると思います」(菊池医師)
病院嫌いの人に、無理に「受診しろ」とは言えない。一方、「短期間で病気をしっかり治したいと思うのであれば、ドクターショッピングはせず、同じクリニックに通い続けるほうがいい」と菊池医師は言う。
慢性副鼻腔炎を例に取ると、まず、抗菌薬の少量投与を1カ月ほど続ける。
再度、X線やCTで副鼻腔を撮影して、膿が取り除けていないとわかったら、内視鏡で副鼻腔をきれいにするなど、外科的な処置を検討する……という具合に、段階的に治療を進めていく。
さらに、誠さんのかかっている好酸球性副鼻腔炎に対しては、手術で十分な効果が得られない場合もあり、そのときは2020年3月に登場した生物学的製剤のデュピルマブという薬(皮下注射)の処方が可能となっている。
指定難病に対する薬であるため、医療費助成を受けられることがある。
(関連記事:【治らない副鼻腔炎】実は指定難病、嗅覚低下も)
「クリニックを変えてしまうと、途中まで進んでいた治療が一からやり直しになってしまいます。検査やお金、時間も無駄になってしまうのです」(菊池医師)
家族のためにも、医者嫌いは、ほどほどにしたいものだ――。
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