泉・立憲民主代表の交代論がささやかれるワケ 都知事選敗北なら責任論拡大、険しさ増す前途

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ただ、そうした状況変化についても、党内では「あくまで自民や維新の敵失によるもの」(幹部)との冷めた見方が大勢。前回代表選で泉氏を支持した実力者の小沢一郎氏も、ここにきて野党間で衆院選候補者の調整が進まないことに強い不満を示し、「代表交代論」を唱えている。

その背景には、党内に泉氏の経験不足を指摘する声が多い。泉氏は衆院当選8回のベテラン議員だが、旧民主党政権下での閣僚経験はゼロ。さらに、代表就任後も、「党・国会運営は、岡田克也幹事長と安住淳国対委員長に頼りっぱなしで、代表としての統率力や求心力に欠ける」(国対幹部)との批判が絶えないからだ。

こうした党内の厳しい声に対し、泉氏は6月14日の記者会見で「経験者が有資格者だということになれば、過去首相を経験した人しか(代表を)できない」と気色ばんで反論した。ただ、泉氏に近い議員の間からも「(代表選出馬に必要な)20人の推薦人を集められるかすら不透明」(若手)と不安の声が漏れてくる。

というのも、次期代表選には、野田、枝野両氏以外でも、前回も立候補した小川淳也前政調会長に加え、中堅・若手議員によるグループ「直諫(ちょっかん)の会」会長の重徳和彦衆院議員が出馬の構えを見せており、「推薦人の取り合いになれば、泉氏は劣勢」(党幹部)との見方も出ているからだ。 

3年ぶりの党首討論は岸田首相に「判定負け」

その泉氏にとって、代表としての最大の見せ場となるはずだったのが、前国会最終盤の6月19日に、3年ぶりに実施された「党首討論」。岸田文雄首相と野党各党首の対決は初めてで、裏金事件で追い詰められた岸田首相に対し、「泉氏が野党を代表して、岸田首相をどれだけ追い詰めるかが焦点」(政治ジャーナリスト)とみられていた。

もともと党首討論は、「衆参の予算委員会での質疑などと違って、党首同士の真剣勝負で、本来、用意されたメモの棒読みなどは許されない雰囲気」(同)だ。今回もNHKだけでなく民放テレビやネットでも生中継されただけに、「各党首の見識や討論力が厳しく問われる場となった」(自民国対幹部)のは間違いない。

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