「飛行中ドア落下」ボーイングに当局が激怒した訳 記者への調査情報の共有は明らかな規則違反

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ボーイングは25日に記者ブリーフィングと工場ツアーを実施、品質向上に向けてこれまで進めてきた成果を披露した。さらにランドからは、事故前の経過についても新たに詳しい説明が行われた。

1月に事故を起こした飛行機の胴体が2023年夏にボーイングの工場に到着した時点で、5つのリベットが仕様を満たしていなかった。ランドがブリーフィングで語ったところによると、ボーイングと胴体製造を担ったサプライヤー、スピリット・エアロシステムズは、機体の工場作業を進めつつ、問題にどう対処するかを話し合った。リベットを交換する必要があるという結論に達した時点で、機体にまつわる作業はほぼ完了していた。

真相究明を邪魔する「勘違い発言」

問題のパネルは、近くのリベットを修理するために外されたが、取り外し作業を文書に記録した者はいなかった。その後、「移動クルー」と呼ばれるチームが工場から機体を運び出す準備をし、その過程でパネルは閉じられた、とランドは語った。

パネルを固定していたボルトの再取り付けはそのクルーの責任ではなく、記録もなかったため、ボルトを再度取り付ける必要があることを知る人は誰もいなかった、とランドは言った。

パネルは本来の場所にぴったりと収まっていたが、約500時間の飛行を経てアラスカ航空便のフライト中に吹き飛んだ。

記者から誰が関与していたのかを問われたランドは「『誰』に関する判断は100%NTSBの責任で行われる」と答え、それ以上のコメントは控えた。委員会はこれに異議を唱え、委員会は「事故原因の究明に重点を置いており、個人に責任を負わせたり、責任の程度を測ったりはしていない」と述べた。情報を持つ個人が報復を過度に恐れることなく証言することを促すためには、こうしたアプローチが不可欠だ。

ランドは2月の経営幹部刷新の一環として昇進し、現在はボーイングの民間航空機全般の品質を監督するシニアバイスプレジデントの職務を担っている。直近では民間航空機の生産プログラムを担当し、その前はサプライチェーンの開発・戦略の監督など、それ以外の幹部職を務めていた。

(執筆:Niraj Chokshi記者、Mark Walker記者)
(C)2024 The New York Times

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