「飛行中ドア落下」ボーイングに当局が激怒した訳 記者への調査情報の共有は明らかな規則違反

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飛行中にドアが落下したアラスカ航空のボーイング「737MAX」(写真:Amanda Lucier/The New York Times)

ボーイングは6月27日、飛行中の同社機で1月に発生した恐ろしい事故について現在進められている調査に関連して情報開示を行ったことで連邦規制当局から新たな非難を浴びることとなった。この事故では、ボーイングの「737MAX」1機のパネルが脱落し、乗客は高度約1万6000フィートで強風にさらされた。

25日にワシントン州レントンの同社工場で記者ブリーフィングを行ったボーイングの幹部エリザベス・ランドは、事故機が工場を出た時点で、「ドアプラグ」と呼ばれるパネルを適切な位置に固定する4本の重要なボルトが欠落していたと思われる状況について新たな情報提供を行った。

ボーイングは、記者たちと一般的な取り決めを交わし、27日朝まで記者レクの情報を公開しないこと、としていた。詳細な説明を処理する時間を記者に与えるための慣行で、これ自体はめずらしいものではない。

あからさまなルール違反

だが、国家運輸安全委員会(NTSB)はブリーフィングでの発言内容に気づき、発言に関する記事が公開される数時間前に同社を強く非難した。委員会は、ボーイングが行った調査情報の共有は不適切であり、事故原因についての発言も臆測であるとし、ボーイングは進行中の調査に関する当局の規則を「あからさまに破った」と断じた。委員会は、1月の飛行の調査にあたっている司法省に、規則違反の詳細を伝えるとしている。

委員会は声明で「過去数十年にわたり当事者として何度もNTSBの調査を受けてきたボーイングほど規制を熟知している企業はない」と述べた。

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