100万円超の被害も!「サポート詐欺」の悪質手口 「偽警告サイト」へのアクセスは65歳以上が4倍

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技術的な用語や偽の脅威に騙されやすい傾向にある高齢者をどのように守っていくのかが肝になる。

家族や周囲の方々には、日頃から高齢者とコミュニケーションをとってサポート詐欺の存在や手口を伝えること、そして何かあった時に相談しやすい雰囲気や環境を作って支えることが求められるだろう。

被害に遭うきっかけは不正広告

サポート詐欺のプロセスには3段階ある。まず最初に、被害者が不正広告等を通じてセキュリティ警告表示を目にし、コールセンターへ誘導される「誘導」(※1)。次に、偽のコールセンターの担当者とのやりとりを通じて遠隔操作ソフトによる操作が実行される「操作」。そして最後が、金銭を要求されたり、システムの不正改変が行われる「搾取」だ。

サポート詐欺のプロセス

サポート詐欺は段階的に進行し、被害者の不安をあおりながら徐々に信頼を得て、最終的に金銭的被害や情報被害(情報漏洩や情報の不正利用など)につながる。

不正広告
不正広告
災害や時事問題に便乗した不正広告の例(2023年、日本)(出所:トレンドマイクロ『国内サポート詐欺レポート 2024年版 ~変化する脅威の特徴と対策戦略~』)

被害に遭う最初のきっかけとなる、「不正広告」を利用した偽セキュリティ警告サイトへの誘導は、以前からその存在が知られていたが、2023年にこの手口での被害が多数報告されたことで、より深刻な問題であることが明らかになった。実際、トレンドマイクロのサポート窓口への問い合わせでは、金銭被害に遭った人の約6割がGoogle広告経由でサポート詐欺サイトに誘導されていたことがわかっている。

広告の内容は災害や時事問題、マッチングサービス(出会い系)、旅行など多岐にわたり、人気のある情報サイトやブログサイトなどに掲載されるため、多くの人目に触れる。

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