岸田首相、"四面楚歌"でも「とにかく明るい」理由 ライバル不在、総裁選出馬なら「現職有利」と見込む

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この強気の言動について、与党内でも「単なる強がり」(閣僚経験者)と冷笑する向きが多い。その一方で「持ち前の“鈍感力”で『とにかく明るい岸田』を演じ切ることで、総裁再選を狙っているのは間違いない」(自民長老)と岸田首相の心中を見透かす声もある。

「再選前提」の物価対策にも政府内から反発

岸田首相はその2日後の6月21日夕、事実上の国会閉幕を受けて首相官邸で記者会見。その中で改めて総裁再選に意欲を示すとともに、7月以降に想定されている物価高への対応策として①8月からの電気・ガス料金の負担を軽減する補助金の再開②低所得者世帯などへの給付金追加の検討――などを表明した。これは「総裁再選がすべての前提」(同)ともみえる。

ただ、財務、経済産業両省への事前説明はなかったとされ、「首相の独断専行で、まさに『孤立の独裁者』そのもの」(財務省幹部)との反発も相次ぐ。このため、政府与党内にも「岸田首相がいくら人気取りの政策を連発しても、現状の支持率低迷から抜け出せない限り、『とにかく明るい岸田』も逆に国民の反感を買うだけ」との厳しい声が広がる。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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