この強気の言動について、与党内でも「単なる強がり」(閣僚経験者)と冷笑する向きが多い。その一方で「持ち前の“鈍感力”で『とにかく明るい岸田』を演じ切ることで、総裁再選を狙っているのは間違いない」(自民長老)と岸田首相の心中を見透かす声もある。
「再選前提」の物価対策にも政府内から反発
岸田首相はその2日後の6月21日夕、事実上の国会閉幕を受けて首相官邸で記者会見。その中で改めて総裁再選に意欲を示すとともに、7月以降に想定されている物価高への対応策として①8月からの電気・ガス料金の負担を軽減する補助金の再開②低所得者世帯などへの給付金追加の検討――などを表明した。これは「総裁再選がすべての前提」(同)ともみえる。
ただ、財務、経済産業両省への事前説明はなかったとされ、「首相の独断専行で、まさに『孤立の独裁者』そのもの」(財務省幹部)との反発も相次ぐ。このため、政府与党内にも「岸田首相がいくら人気取りの政策を連発しても、現状の支持率低迷から抜け出せない限り、『とにかく明るい岸田』も逆に国民の反感を買うだけ」との厳しい声が広がる。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら