首位は4兆円、賃貸不動産の含み益が多い企業80社 上位の企業は不動産デベロッパーと鉄道会社
経営陣の同意を得ないままTOB(株式公開買い付け)などを行う「同意なき買収」が急増。現場では、かつての“乗っ取り”を彷彿とさせるような、血で血を洗う壮絶な闘いが繰り広げられている。『週刊東洋経済』6月29日号の第1特集は「仁義なき企業買収」だ。
PBR(株価純資産倍率)には反映されない「利益」がある。企業が保有する賃貸不動産の含み益だ。
会計上、賃貸不動産は取得したときの価格(簿価)で貸借対照表に計上され、市況の変動などで価格が変わっても、売却しない限りは基本的に利益を計上しない。
そのため、保有している賃貸不動産がいくら値上がりしても、株価を純資産で割って計算するPBRの算出に影響がないのだ。
有価証券報告書に記載されている、「賃貸等不動産関係」の注記をベースにして、含み益が多い順に企業を並べた。
含み益ランキングの上位に不動産デベロッパーが数多くランクインしているのは当然として、鉄道会社が多いのも特徴だ。
含み益はアクティビストの大好物
保有資産の有効活用に乗り出す例も出ている。
17位の西武ホールディングスは、赤坂プリンスホテルの跡地に建設した東京ガーデンテラス紀尾井町を今年度中にも売却する方針だ。中にはこうした動きを後押しするアクティビストファンドも出てきている。
不動産の含み益はアクティビストの大好物。多い企業は狙われないよう注意が必要だ。
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