イノベーションの魔法は多様な人材から生まれる--アーンスト・アンド・ヤング会長兼CEO ジェームス・ターリー
打開策としては、まず本腰でグローバリゼーションを受け入れることです。日本企業は新興国市場に参入し、成長を一緒に享受していけるすばらしい機会を生かすべきです。
第二にはアントレプレナーシップをきちんと評価し成長を促すべき。アントレプレナーシップとは、ベンチャー企業やスタートアップ企業だけを意味するのでなく、大企業がイノベーションを実施するうえでも重要です。これをイントラプレナーと呼びますが、大企業の内部に向けても働きかけていくことが必要です。
イノベーションにはリスクが伴うことを企業文化としてきちんと理解することが不可欠。失敗に対して過度に罰を与えないという姿勢が重要です。失敗したとしても決してタイミングを失うことはない。米シリコンバレーでは昨日失敗した人が明日新たな別会社を立ち上げて成功する、とよくいわれます。
第三には人材の多様性を受け入れることです。これはインクルーシブな、受容性の高いカルチャーということにつながってくると思います。
イノベーションが起きるのは、バックグラウンドも考え方も違う人たちが集まってアイデアを持ち寄ったときだと思います。そのアイデアをちゃんと受け入れ、取り込めるカルチャーがあれば、魔法が起きるというか、想定以上のすばらしいイノベーションが生まれるのです。