【産業天気図・海運業】コンテナ船の利益が急減。不定期船も軟調で「曇り」へ変更

海運業は、海上荷動きこそ依然堅調ながら、原油高騰に伴う燃油高や、コンテナ船など各船種の運賃市況軟化を受け、大手3社(日本郵船<9101.東証>、商船三井<9104.東証>、川崎汽船<9107.東証>)では業績の続落、またはピークアウトが鮮明化している。利益水準は高水準を維持しているものの、ピークの2004年度に比べれば、足元の06年度上半期は「曇り」、下半期も燃油価格・為替などの前提条件に変化がない限り「曇り」が続きそうだ。ただし、大手各社とも荷動きの好調ぶりに対応する形で今期50隻前後の新造船投入を計画しており、仮に燃油価格だけでも前期並み程度に収まれば、収益面では前期並みの「曇りがちの晴れ」にとどまる可能性もある。
 運賃市況軟化・燃油高の影響を最も大きく受けたコンテナ船は、スポット契約中心で、燃油価格の変動リスクも船会社が負うため、大手各社で部門経常利益が低下へ。郵船では前06年3月期の175億円が今07年3月期は79億円に、商船三井では同じく375億円が200億円に、川崎汽船では305億円が35億円に、それぞれ減少すると各社想定している。さらに、バラ積み船(鉄鉱石などを輸送)やエネルギー船(原油タンカー、石油製品船など)などの不定期船部門も、船隊のほとんどは長期契約で安定的ながら、前期に稼いだ短期契約などのフリー船が運賃市況軟化と燃油高の影響を受けて反落することから、利益水準低下の大きな要因となる。加えて、運賃収入の多くが米国ドルなど海外通貨建てのため、足元の円高傾向もマイナス要因だ。なお、大手各社の今07年3月期予想の前提条件は、燃油はC重油が330~350ドル/MT(前期は同280ドル台)と大幅高、為替は110~113円/ドル(前期は同112~113円前後)と小幅高程度を見込んでいる。
【大滝俊一記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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