日本初「世界の注目私立校トップ25」に選出、ラグビースクールジャパンの内実 人間の「全体性」重視のホリスティック教育とは
生徒たちにはチューター(担任の先生)も個別についており、もし生徒に何か困ったことがあった場合は、保護者とすぐ連絡が取れる体制を敷いている。また、ナースも24時間体制で常駐し、子どもたちの健康面を支えている。「子どもたちが寮生活を心底楽しめるように、多くの大人の目で見守っています」(ダービー校長)

毎日の食事は重要なポイントだとダービー校長は話す。「現在15の国籍を持つ子どもたちが集まっていることもあり、ベジタリアンやビーガンへの配慮やアレルギー対応には細心の注意を払っています。また、子どもたちがメニューに満足しているかどうかなどの意見をヒアリングし、改善を重ねています」
寮のニーズは非常に高いといい、2024年秋に新しい男女寮、2025年秋にさらに男女寮がオープンする。
一人ひとりに、自分という映画の主役になってほしい
RSJの教員はほぼイギリス人で構成されている。募集をかけたところ、応募が殺到したとダービー校長は教えてくれた。
「イギリス人の教員にとって、日本で働くことは魅力的に映るようです。昨年は20名の枠に対して、なんと1000名もの応募がありました。イギリスから優れた教員を呼び寄せることを第一条件として、慎重に採用を行っています。生徒たちにとって教員の存在は大きいですよね。彼らが大人になっても、お気に入りの先生のことはずっと覚えているものです。学校運営における最も大切な資産は教員なのです」


RSJでは英国ラグビー校と同様に、「A-Level(英国ケンブリッジ大学傘下の教育機関『Cambridge International』が提供している国際資格で、大学教育を受ける前の16~19歳の学生を対象とした高校卒業資格および大学入学資格)」のカリキュラム履修を通じ、グローバル人材の育成を目指している。
「A-Levelは自分の興味のある分野をより深く突き詰めていける、すばらしいシステムだと思います。高校の3年間、得意なことに特化してハイレベルな勉強をすることで、大学進学後に自然な流れで研究分野を絞れるでしょう」(ダービー校長)
最後に、RSJの卒業生にどのような大人になってほしいのかを尋ねると、ダービー校長は次のように述べた。

「自分でビジネスを始めるにしても、サラリーマンとして働くにしても、一人ひとりが、自分という映画の主人公になってほしい。わが校のモットーの1つに“レジリエンス(困難を乗り越えて回復する力)”というものがあります。もしうまくいかないことがあっても、へこたれずに、多くの引き出しを持ち合わせていればリカバリーできるはず。困難から立ち上がるためのスキルを学び、恐れない心を持ちましょう」
(文・撮影:せきねみき)
東洋経済education × ICT編集部
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら