日本初「世界の注目私立校トップ25」に選出、ラグビースクールジャパンの内実 人間の「全体性」重視のホリスティック教育とは

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ラグビーが誕生して200年の節目を迎えた2023年、イギリスの名門ボーディングスクール・Rugby School(ラグビー校)の日本校「Rugby School Japan(ラグビースクールジャパン、以下RSJ)」が千葉県の柏の葉エリアに開校した。英国の教育機関「Carfax Education」が発表した「世界の注目すべき私立校トップ25校 2023」に日本のインターナショナルスクールとして初めて選出され、注目を浴びている中高一貫校だ。英国ラグビー校で14年にわたり教育指導や学校運営に携わった、RSJ初代校長のトニー・ダービー氏に独自の教育スタイルや魅力を聞いた。

勝ち方や負け方の中に、人間性を伸ばすチャンスがある

ラグビー校は「ザ・ナイン」と呼ばれるイギリスの伝統的なパブリックスクール9校のうちの1つで、ラグビー発祥の地として知られている。1823年、同校に通うウィリアム・ウェブ・エリス少年がフットボールの試合中にボールを抱えて走り、自主的にラグビーのルールを制定したというエピソードがきっかけだ。ラグビーというスポーツ名は、まさにラグビー校の名称に由来している。

ラグビースクールジャパン
敷地内の様子

ダービー校長はRSJでの学びにおいて、ラグビーさながら生徒がまとまってチームワークを発揮し、1つのプロジェクトに取り組む活動を積極的に取り入れていると話す。

「わが校は“The Whole Person, The Whole Point”を理念に掲げ、人間の全体性を重視するHolistic Education(ホリスティック教育)を念頭に置いています。ラグビーのようなチームスポーツは、仲間と力を合わせて勝利を目指してプレーし、最終的に勝敗がつきます。勝ち負けの結果がフォーカスされがちですが、勝ち方や負け方も非常に大事な部分。勝ち方や負け方の中にも、相手に尊厳を持ってプレーすることを学ぶなど、一人ひとりの人間性を伸ばすチャンスがあるのです」

トニー・ダービー校長
Tony Darby(トニー・ダービー)
Rugby School Japan(ラグビースクールジャパン)初代校長
これまで25年以上にわたり英国の全寮制、通学制の学校に携わる。英国ラグビースクール本校では14年間ハウスマスター(寮長)を務めた

ホリスティック教育の方針は、チームスポーツのみならず、音楽や演劇など多様なジャンルで生かされているという。

「音楽のカリキュラムでは、生徒が大勢の前で発表する機会を毎週設けています。生徒はステージに立つことでどんどん自信をつけ、個性を高めていきます。演劇においても、舞台上で緊張する仲間をお互いに励まし合い、勇気を持ってプレッシャーを乗り越えようとする姿が見られます」

RSJには国際規格のラグビー場「Webb Ellis」をはじめ、充実したトレーニングジム、25m×6レーンの屋内温水プール、レコーディングスタジオ併設の音楽室、演劇室などを完備。生徒が好きなことに熱中し、才能や個性を伸ばせるプロ仕様の設備が整っている。

ラグビースクールジャパン
ラグビーやサッカーができるフィールド。このほか、テニスコートもある
音楽室
課外レッスンでも、チェロ、ギター、フルート、ドラム、クラリネット、ハープ、トランペットなど多様な楽器を習得することができる
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