"梅クライシス"日本一の産地で収穫量急減のなぜ 南高梅の産地・和歌山県、梅農家が悲鳴
国内における2023年産の梅の収穫量は、9万5500トン。このうち和歌山県が6万1000トンと全体の64%を占める(近畿農政局)。中でも和歌山県日高郡の南端に位置し、太平洋と紀伊山地に囲まれたみなべ町は日本最大の梅の里である。
江戸時代から引き継がれている山の斜面を使った栽培システムは、山地の保水、ミツバチとの共生、生物多様性の保護などの役割を担う。国連食糧農業機関は2015年、こうした要素を高く評価し「みなべ・田辺の梅システム」を世界農業遺産に認定した。
産出する最高級ブランド南高梅(なんこううめ)は、皮が薄く果肉が分厚いのが特徴であることはよく知られている。スーパーなどでもお馴染みだ。
梅農家は「どうしようかとなっている」
みなべ町にある真造農園代表の真造賢二さん(62)は、今年の梅の作況について「過去に例がないぐらいひどい。年配の方々もこんな年は知らないと言っている」と語る。
真造さんは梅農園を経営して30年ほどになる。大学卒業後、東京で約12年間のサラリーマン生活を経て、地元にUターンした。現在はみなべ町の町議会議員も務めている。
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