トヨタ、ホンダでも発覚、止まらぬ認証不正の連鎖 ルール破りは論外だが制度の見直しは必要
マツダでは計5車種で、出力試験におけるエンジン制御ソフトの書き換えや衝突試験における試験車両の不正加工が判明。スズキでは1車種で制動装置試験の虚偽記載が、ヤマ発では2輪の不正行為があった。
認証試験は、自動車の量産に必要な「型式指定」を取得する前提となるもの。各社は自社で再試験した結果、乗り続けても安全性に問題はないとしているものの、トヨタは「ヤリスクロス」など3車種、マツダは「MAZDA2」など2車種の生産を停止した。また、トヨタは全ての調査をまだ完了していないという。
現場の負担、認証制度の軽視
会見を開いたトヨタ、ホンダ、マツダの説明から見えてきたのは現場の負担増や認証制度の軽視だ。
トヨタの豊田会長は「原因は1つではない」としたうえで、「最終試験で問題が発覚しても短い納期でやり直す。そこで負担が発生したのでは」と認証部門へのシワ寄せが発生していたとの見方を示す。カスタマーファースト推進本部・宮本眞志本部長は「認証という意識が少し薄かったというのは否めない」と話す。
ホンダも現場における制度への認識が足りていなかったといい、三部社長は「再テストをできるだけやりたくないという思いがあったと思う。完全に順法意識が逸脱欠如していた」と釈明する。マツダの毛籠勝弘社長は「業務手順で足りない部分があり、それを現場の判断で補う仕事をさせてしまった」と話す。
グループの責任者としての役割を果たすとしている豊田会長を含めて、会見を開いた3社は経営責任について具体的な言及はなかった。ホンダの三部社長は「(不正が)現在起きておらず、経営陣の責任は考えていない」、マツダの毛籠社長は「現時点で言及するのは時期尚早だ」と言うにとどめた。