「セクシー田中さん」報告書に欠けた"問題の本質" ビジネス視点で俯瞰するとわかる対立構造
原作者にとっては脚本家が問題だという認識が強まり、最後の最後に降板要請として爆発します。そして脚本家は自分が攻撃されたことに気づきSNSで反撃します。それに対抗する原作者のSNSでのアンサーで、脚本家は壊滅的に炎上します。同じクリエイター同士が、ないしは同じ労働者同士がわかりあえずに戦ってしまったのです。
報告書からはわからないこと
さて最後になりますが、よく国が開示する報告書が黒塗りになっていることがあります。今回の小学館の報告書には黒塗りではありませんが、意図的なのか多くを調べていない箇所があります。今年1月26日に原作者がXに「アンサー」を投稿し、脚本家への非難が集中した直後の部分です。
翌27日に原作者と小学館関係者の間でオンライン会議があり、その後、編集者と原作者が何らかの話をしたことがわかります。その後、原作者から「思いは果たしたので、予期していなかった個人攻撃となったことを詫びるコメントを出して、投稿を取り下げる」と編集者は伝えられたと証言しています。
この一日の間に何が話し合われたのか具体的な内容が報告書には書かれていません。そして翌28日、状況は暗転します。原作者はXに「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」と投稿し、ブログ、Xの投稿を削除して自死します。
死の前に原作者は何に気づいたのでしょうか。関係者から何を教えられたのでしょうか。誰になぜ謝罪をしたのでしょうか。その部分については調査は尽くされていません。
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