紀平梨花は今季全休も心はいつもスケートと共に 今は"無理"せず「復活」のときを待つ

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2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を目指すにあたり怪我の完治を最優先に考えた紀平は、2023-24シーズンは全休という選択をした。昨年10月20日、SNSに投稿した動画で、紀平は次のように語っている。

怪我の完治を優先することを決断

「今シーズンですが、コーチ、トレーナーさん、お医者様とミーティングを重ね、試合に出場しないで、怪我の完治を優先することを決断しました。ですが今現在トロントにて、トレーニング、そして治療に励んでいます。

来シーズンは、健康、そしてパフォーマンスも完全復活を目指して、全力で毎日頑張っていきたいなというふうに思っております」(紀平梨花X[旧ツイッター]より)

紀平は、自らを追い込むタイプのスケーターだ。2019年11月に札幌で行われたNHK杯で、紀平はロシアのアリョーナ・コストルナヤに次ぐ2位となった。

当時左足首の怪我により得意としているルッツを構成から外していた紀平は、一夜明けての取材対応で危機感を口にしていた。

「本当は休めば治るんですけど、しっかり練習しないと……今はやっぱりどの試合でもノーミスを狙うためには、一日でも休むと危ない状況なので」

現在苦しんでいる右足首の怪我については、骨折と診断されるまで時間を要したという。ストイックな紀平が、北京五輪シーズンを前にして練習を休むという選択ができなかったのは無理もないことといえる。

しかし、全力で練習できない日々が続く中で、紀平はネガティブにならない方法として、好きなことをして毎日を充実させるようになったという。SNSで披露した歌も、きっとその一つなのだろう。

今年4月、紀平は、インスタグラムのストーリーに氷上練習の動画も投稿しており、コメントを添えている。

「今はまだ無理できない少しずつの過程ですっ!」

心身を整えた紀平梨花が勝負のリンクに戻ってくる日を、多くのファンが待っている。

(文・沢田 聡子)

沢田聡子
1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。シンクロナイズドスイミング、アイスホッケー、フィギュアスケート、ヨガ等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。「SATOKO’s arena」
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