北海道東川町「人生の学校」参加する男女の"目的" 学び直しの機会は社会全体としても重要になる

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ヒュッゲスペースで対話する様子(写真:畠田大詩)

ヒュッゲとは、デンマーク語で居心地の良さや一体感など心が満たされる状態を表現する言葉です。

ワークショップは校舎近くの農園での農作業や校舎の中でオリジナルのキーホルダーを制作するというもので、各々がリラックスしていて楽しそうな雰囲気です。

どんな人が参加しているのか

Compathによると、今までの参加者は254名(4月22日現在)。

たとえば短期コースの場合、年代は20代・30代が78%と最も多く、男女比では65%が女性、属性では全体の60%が会社員ということでした。一方、長期コースのほうは全体の72%の参加者が20代、男女比では女性が多く、属性では大学生が半数、離職者が3割という期間によって異なる層の受益者がいる点は興味深いことです。

参加の期間は、ミレニアル世代(29〜40歳)とZ世代(19〜28歳)を中心にショートコースと呼ばれる1週間程度の参加が多いということだったのですが、これは少し意外でした。なぜなら本家デンマークのフォルケホイスコーレは6カ月以上が基本です。日本では6カ月は難しいにしても1カ月間くらいの参加者が多いのではと考えていたからです。

ショートコース(8日間のコース)の内容は、参加者が校舎の2階にある宿泊スペースで共同生活を送りながらワークショップなどの体験や対話を重ねていくというもの。コースは大きく8日間の中で3つの段階に分かれています。(下記は2024年8月ショートコースの場合)

Day1
学びの土壌づくり

心地よい春の空気に触れながら今の自分を感じたり森にあるもので自分の"名刺"を作ったり、まずは今の自分をじっくり感じる。
Day2 to 6
東川町で暮らすように過ごす
基本的には自由行動。仕事をしても 観光したり静かな時間を過ごしたりしてもOK。朝晩の内省や対話のワークショップ、選択授業に参加することも可能。
Day7 to 8
Sense of Wonder

雄大な大雪山の自然、森歩きをしながら自分の”野性”を感じ、取り戻す時間に。
最終日は、Day1〜Day8の感情や気づきをじっくりと振り返ります。

タイムスケジュールは、いわゆる会社や学校のような9時から5時までの細かいものではなく、夕食や団欒の時間以外は選択コースや自由な時間となっています。

参加者が東川町での思い思いの時間を過ごしながら、団欒や対話を繰り返して1週間過ごしていくという設計です。

ワークショップの様子(写真:畠田大詩)
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